LE-5B-2
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 07:13 UTC 版)
H-IIAロケット3号機において第二段燃焼中にそれまでの飛翔と比較して大きい振動が確認された。この時の振動レベルは衛星の規程値以下であり、衛星に問題はなかった。機軸方向(ロケットの長手方向)の振動の原因は、第2段機体の固有振動に起因するLE-5Bエンジンの燃焼圧の変動であるとされている。H-IIAロケット10号機以降は、第2段推進薬タンクの加圧を若干増加させることで振動を軽減している。 2003年3月からこの振動の主要因の一つである燃焼圧力変動の低減を目的として、LE-5B-2エンジンの開発が開始された。設計変更はミキサーと噴射器について行われた。ミキサーにおいては噴射孔の位相を変更することで噴射器に流入する液体水素の混合を促進した。噴射器においてはマニホールド内流を整流する仕切り板を設けると共に、噴射器エレメントの小型化を図り、エレメント数を増加させることで、燃焼室に噴射する液体酸素の微粒化を促進した。これらの改良によってペイロードにかかる振動や燃焼圧力変動を従来の50%に抑えることに成功している。 H-IIAロケット14号機以降使用され、H-IIBロケットにも使用されている。
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