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リアプノフ関数とは? わかりやすく解説

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リアプノフ関数

(Lyapunov function から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/18 02:33 UTC 版)

リアプノフ関数 (: Lyapunov function)は、ロシアの数学者であるアレクサンドル・リアプノフにちなんで命名された関数であり、数学において、力学系自励系を成す常微分方程式系 (以下、単に自励系と呼ぶ) における不動点の安定性を証明するために用いられる。安定性理論制御理論において非常に重要な数学的ツールとなっている。なお、リアプノフ関数は前もって一般的な定義が定められているわけではなく、対象となる常微分方程式系と平衡点が与えられた場合に、後述するようなある性質を満たす関数をその系および平衡点のリアプノフ関数と呼ぶのである。これと同様の概念がマルコフ連鎖における一般状態空間でも現れ、この場合は通常リアプノフ-フォスター関数と呼ばれる。

リアプノフ関数の意味

ある平衡点の安定性を証明できる可能性のある関数をリアプノフ候補関数と呼ぶ。リアプノフ候補関数を構成する、あるいは見出す一般的な方法は存在しない。また、リアプノフ(候補)関数を見つけることができないという事実が安定性の欠如を確定するものでもない。つまり、リアプノフ関数を見つけることができないということは、そのシステムが不安定ということを意味しない。力学系においては、保存則がリアプノフ候補関数を構成する上で多用される。

リアプノフ(候補)関数に直接関係している、自励系に関するリアプノフの基礎定理は、自励系の平衡点の安定性を証明する上で有用なツールである。

ただし、自励系に関するリアプノフの基礎定理は平衡点の安定性を証明するための十分条件を与えるツールであるが、必要条件を与えるものではないことに十分注意する必要がある。ある平衡点に対してリアプノフ関数を見出すことは運によると言える。ある平衡点に対するリアプノフ候補関数のテストは、試行錯誤によることになる。同程度に安定な領域は、たいてい2次元平面上で曲線をたどるので、コンピューターによって描かれるリアプノフ指数のイメージは視覚的に魅力的で非常にポピュラーである。

自励系の平衡点の定義

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