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NADPHとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 学問 > 化学物質辞書 > NADPHの意味・解説 

NADPH

分子式C21H30N7O17P3
慣用名 還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドりん酸、ジヒドロコデヒドロゲナーゼII還元型コデヒドロゲナーゼII、Reduced Co II、β-NADPH、NADPH2、β-TPNH、NADPH、Reduced triphosphopyridine nucleotide、Reduced nicotinamide adenine dinucleotide phosphate、Dihydrocodehydrogenase II、TPNH、Reduced codehydrogenase II、Reduced coenzyme II還元補酵素II還元コエンザイムII還元CoII還元トリホスホピリジンヌクレオチドAdenosine 2',5'-bisphosphate 5'-ester with 1,4-dihydro-1-β-D-ribofuranosylnicotinamide、アデノシン2',5'-ビスりん酸5'-エステル1,4-ジヒドロ-1-β-D-リボフラノシルニコチンアミド、Adenosine 2'-phosphoric acid 5'-[diphosphoric acid P2-[1-(1,4-dihydro-3-carbamoylpyridin-1-yl)-1,5-dideoxy-β-D-ribo-pentofuranos-5-yl]] ester、1-[5-O-(2'-O-Phosphono-5'-adenylyloxyphosphonyl)-β-D-ribofuranosyl]-1,4-dihydropyridine-3-carboxamide、Adenosine 2'-phosphoric acid 5'-[diphosphoric acid β-[1-(3-carbamoyl-1,4-dihydropyridine-1-yl)-1,5-dideoxy-β-D-ribofuranose-5-yl]] ester
体系名: 1-[5-O-(2'-O-ホスホノ-5'-アデニリルオキシホスホニル)-β-D-リボフラノシル]-1,4-ジヒドロピリジン-3-カルボアミドアデノシン2'-りん酸5'-[二りん酸P2-[1-(1,4-ジヒドロ-3-カルバモイルピリジン-1-イル)-1,5-ジデオキシ-β-D-ribo-ペントフラノース-5-イル]]、アデノシン2'-りん酸5'-[二りん酸β-[1-(3-カルバモイル-1,4-ジヒドロピリジン-1-イル)-1,5-ジデオキシ-β-D-リボフラノース-5-イル]]


ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸

(NADPH から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/06 07:53 UTC 版)

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ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸
識別情報
CAS登録番号 53-57-6 (NADPH), 53-59-8 (NADP+)
PubChem 5884 (NADPH)
5885 (NADP+)
KEGG C00005 (NADPH)
C00006 (NADP+)
MeSH NADP
特性
化学式 C21H29N7O17P3
モル質量 744.413
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリンさん、nicotinamide adenine dinucleotide phosphate)とは、光合成経路あるいは解糖系のエントナー-ドウドロフ経路などで用いられている電子伝達体である。化学式:C21H21N7O17P3、分子量:744.4。ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドと構造上良く似ており、脱水素酵素補酵素として一般的に機能している。略号であるNADP+(あるいはNADP)として一般的には良く知られている。酸化型 (NADP+) および還元型 (NADPH) の2つの状態を有し、二電子還元を受けるが中間型(一電子還元型)は存在しない。

かつては、トリホスホピリジンヌクレオチド(TPN)、補酵素II、コエンザイムII、コデヒドロゲナーゼIIなどと呼称されていたが、現在はNADP+に統一されている。別名、ニコチン酸アミドジヌクレオチドリン酸など。

NADP+の構造や諸特性

NADP+の構造は基本的にはNAD+とほとんど同じであり、ニコチンアミドヌクレオチドおよびアデノシンからなるが、アデノシンのヌクレオチドの2'位にはヒドロキシル基ではなくリン酸基が付属している。また還元様式もNAD+の場合と全く同じである。

ヌクレオチドを含むために、波長260nmの紫外線に吸収極大を示し、NADPHのみ340nmの紫外線も良く吸収する。酵素活性測定法はNAD+の場合と全く同じで、基質として扱うNADP+のみが異なる。なお、NADP+依存性脱水素酵素はNAD+には全く活性を示さず、この場合は別のEC番号が与えられている。

NADP+およびNADPHの生理学的意義

NADP+およびNADPHはNADP+と同様、生体内の電子伝達に寄与しているが、中でも有名なのが光合成の電子伝達物質としての役割である。また、解糖系のエントナー-ドウドロフ経路や脂肪酸ステロイドの生合成系にも機能している。還元物質NADPHを生産する系は以下の通りである。

光合成、光化学系複合体I

光化学系複合体Iによって生じる還元型フェレドキシンから、フェレドキシン-NADP+レダクターゼ (FNR) によってNADP+への電子伝達が行われ、還元物質NADPHが生じる。この反応は電子非循環的光合成のみで発生し、電子循環的光合成の場合は、フェレドキシンからプラストキノンへ電子伝達が行われる。酸素非発生型すなわち光合成細菌型の光合成ではNADP+は使用されず、NAD+が用いられている。

エントナー-ドウドロフ経路

エントナー-ドウドロフ経路とエムデン-マイヤーホフ経路の共通経路においてはNAD+が使用される。また古細菌特有の非リン酸化エムデン-マイヤーホフ経路においては、NADP+が使用されることもあるが、NAD+の場合もあり、どちらともいえない。ただし、以下の反応にはNADP+が使用される。

またメタン菌の酸化型不完全クエン酸回路においてもNADP+が使用される。

NADPHの酸化経路には、光合成の暗反応すなわちカルビン-ベンソン回路がある。

  • 1,3-ビスホスホグリセリン酸 + NADPH → グリセルアルデヒド3リン酸 + NADP+ + Pi

以上の反応はグリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素によって触媒される。他にも脂肪酸生合成系で酸化を受ける。

  • アセトアセチルACP + NADPH → βヒドロキシブチリルACP + NADP+
  • クロトニルACP + NADPH → ブチリルACP + NADP+

そのほか、C4型光合成CAM型光合成でも別の経路で使用されている。おもに植物で使用されていると考えられており、動物における生理学的役割はNAD+とは異なっていると考えられている。

グルタチオンによる酸化還元

詳細はグルタチオンを参照。

  • 酸化型グルタチオン(GSSG) + 還元型(NADPH) → 還元型グルタチオン(GSG) + 酸化型(NADP+)

NADP+の合成

NADP+の基本骨格はNAD+と同じであるために、NAD+の項を参照。そしてNAD+のヌクレオチドの2'へのリン酸基の付加は以下の反応にて行なわれる。

NADPHの合成

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