PC-8001mkII
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「PC-8000シリーズ」の記事における「PC-8001mkII」の解説
1983年1月に発表、同年3月に発売された、PC-8001の後継機。希望小売価格は123,000円。 PC-8001では別売であった、シリアルインターフェース(RS-232C)、5インチFDDインターフェース、拡張スロット(2スロット)を標準搭載させ、FGU-8200を参考(メモリマップも同じ)にした640×200ドットのグラフィックプレーンを追加する事で漢字表示を可能とし、オプションで漢字ROM、漢字BASICもサポートした、実用本位の強化に特化しているのが特徴で、同クラスの他機種でオプションのシリアル(RS232C)が標準搭載でモデム等の通信機器が直接接続できたり、制御用ボードの増設が簡単であったりと業務(研究)向けな仕様であった。メインRAMは64KBとなり、CP/Mなどの汎用OSも標準で動作するようになった。反面AV面では、ハイレゾグラフィックがモノクロ(解像度を落としても4色)、サウンドはPC-8001と同様のビープ音のみという寂しいものとなった。キーボードは、TABキーが追加されESCキーの位置が変わっている。 BASICは、N-BASICの24KBのROMに8KBを継ぎ足して拡張したN80-BASICを搭載。主にグラフィック関係の命令が追加されている(N-BASICの未使用予約語CMDを使用)。PC-8001 (N-BASIC) 用のソフトはN80-BASICでも基本的に動作するが、フリーエリアなどの関係で完全な互換性が必要とされる場合には、N-BASICモードに切り替えることもできる。切り替えはリセット時のディップスイッチまたはキー操作による。 また、本体背面にはアタリ規格と同形状の台形型Dsub-9ピンの汎用I/Oポートが設けられたが、ピンアサインをアタリ規格と合わせなかったため、アタリ規格準拠のジョイスティックポートとしては機能せず、バーコードリーダ等の業務用機器の接続ポートとして使われた。 グラフィックモードは、ゲームでは主にスクリーン2(320×200ドット、黒+赤+緑+選択色)が使用され選択色に青を指定してタイルパターンでデジタル8色を表現する手法が多用された(ただし白を鮮明に表示させたい場合は青の代わりに白が指定された)。またカラーを必要としないボード系ゲーム(麻雀など)では、スクリーン0/1(640×200ドット、黒+指定色)が使用された。スクリーン3(320×200ドット、青+マゼンタ+シアン+選択色)は殆ど使用されることがなかったが、ポートピア連続殺人事件やナッツ&ミルクなどで使用された。拡張手段は、のちに発売されたPC-8801用のビデオアートボード以外にはなかった(当然、ソフトは無いので付属説明書によるアクセス方法に従ったソフトを自作することになる)。音楽機能も、PC-8801mkIIの様な強化(CMD SING)はされず、PC-8001のままでソフトウェアによる工夫に頼ることになった。 この頃、各社から同じような価格・スペックの8ビットPCが続々と発売されたが、それらの機種ではホビーユースでは不要なインターフェース部分をオプション扱いにしたり省略させる代わりにグラフィックやサウンド機能の充実を図った。それに対し本機ではインターフェースの拡張を重視させたため、AV面の拡張が中途半端なものとなり、AV面だけで比較すると他の機種に比べ大きく見劣りする物となった。その結果、本機は前モデルのPC-8001用の豊富な資源を安価で拡張できるというメリットがあったものの、競合他機種に見栄えで大きく水をあけられるものとなった。さらに、上位機種のPC-8800シリーズがPC-8801mkIIでホビーユースについて強化される一方、下位機種のPC-6000シリーズもPC-6001mkII/6601で大幅に機能拡張され、本機の位置付けは微妙なものとなってしまった。 640×200ドットの8色グラフィックは、コストの問題とFGU-8200用のアプリケーションに対応させるため、サウンド機能は、コストの問題と拡張スロットを使えば容易に搭載できることから、それぞれ見送られた経緯がある。このクラスでは、珍しくワープロソフト等の業務用ソフトが多数存在する。
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