Socket AM3
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/20 10:56 UTC 版)
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ソケット形式 | PGA-ZIF |
---|---|
チップ形状 | PGA |
接点数(ピン数) |
941[1][2](ソケット) 938(CPU) |
FSBプロトコル | HyperTransport |
FSB周波数 | 最高 2.6 GHz |
採用プロセッサ | #採用製品を参照 |
前世代 | Socket AM2+ |
次世代 |
Socket FM1 Socket AM3+ |
この記事はCPUソケットシリーズの一部です |
Socket AM3は、AMDのCPUで使用するCPUソケットであり、Socket AM2+の後継のソケットである。AM3のために設計されたPhenom IIプロセッサの最初のグループとあわせて、2009年2月9日に発売された[3]。AM2+からAM3への大きな変更点は、AM3の統合メモリコントローラのサポート内容である。AM3では、DDR2に加えてDDR3がサポートされている
仕様
Socket AM2/AM2+のピン数は940本であったが、Socket AM3ソケットのピンホールの数は941本に増えた。しかし、発売されているSocket AM3プロセッサのピン数は938本であり、またピンの位置もSocket AM2/AM2+ソケットと互換性が保たれた配置となっている。このため「Socket AM3版」や、「Socket AM3対応」と表記されたCPUであっても、BIOS、CPUへの供給電圧、消費電力がそれぞれ対応しているようであれば既存のSocket AM2/AM2+ソケットを備えたマザーボード上で使用可能である[1]。
ただし、Socket AM2/AM2+を搭載したマザーボードであっても、Socket AM3版のPhenom IIおよびAthlon IIなどに対応していないマザーボードも存在するので、不明な場合は各マザーボードメーカー[4][5]へ対応状況を確認する必要がある。
逆に、Socket AM3のソケットを備えたマザーボードにSocket AM2/AM2+版のCPUを搭載することはできない。Socket AM2/AM2+版のCPUは、DDR2 SDRAMのメモリコントローラしか内蔵しておらず、メモリに互換性が無いためである。そのため、Socket AM3のソケットは、Socket AM2/AM2+のものとホールの位置が変更されており物理的にSocket AM2/AM2+版のCPUをSocket AM3ソケットに装着できないよう配慮されている。
前述の通り、Socket AM3はキーのピンの位置、ホールの数を変更している。現状のAM3プロセッサが938ピンであるのに対して、AM3ソケットは941ピン分のコンタクトを有している[1]。
Tom's Hardwareにおいて、ひとつの試みとしてSocket AM2+版のPhenomをSocket AM3に合わせるため、邪魔なキーのピンを2つ取り外してみた。プロセッサは、Socket AM3では動作しなかったが、Socket AM2+では動作した[6]。
メーカーの対応
マザーボードメーカーは、既存のAM2/AM2+のマザーボードに「AM3 Ready」のような表示を行い、特定のボードでBIOSのアップグレードサポートが提供されることを示した。これにより「AM3 Ready」と表示されたマザーボードは、既存のSocket AM2/AM2+を搭載したマザーボードであっても、BIOSを最新のバージョンにアップグレードすることでSocket AM3版 CPUを使用することができる。
「AM3 Ready」と表示されていないマザーボードであっても、メーカーによりSocket AM3に対応するBIOSが配布されている場合がある。
マザーボード | |||||
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Socket AM2 |
Socket AM2+ |
Socket AM3 |
Socket AM3+ | ||
C P U |
Socket AM2 |
Yes | No | ||
Socket AM2+ |
Yes | No | |||
Socket AM3 |
Yes [注 1] |
Yes | |||
Socket AM3+ |
No | Yes [注 1] |
Yes |
採用製品
一部のチップセットでは、チップセット側の制限によりHyperTransport 2.0までの対応となる。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c MSI Releases AM3 Gaming Series Motherboards hothardware 2009年1月22日
- ^ Some compatible processors are designed with a smaller number of pins.
- ^ The Phenom II X4 810 & X3 720: AMD Gets DDR3 But Doesn't Need It AnandTech 2009年2月9日
- ^ AM3 CPU Ready Motherboards ASUS
- ^ AM3 CPU Ready Jetway
- ^ Modding And Overclocking–Doable? Tom's Hardware 2009年2月9日
- ^ “4年前のチップセット採用した6コア対応AM3マザー ASRockから”. 2025年2月1日閲覧。
- ^ “FOXCONN A6GMVの概要”. 2025年2月1日閲覧。
外部リンク
Socket AM3+
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/11 14:35 UTC 版)
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ソケット形式 | PGA-ZIF |
---|---|
チップ形状 | PGA |
接点数(ピン数) |
942(ソケット) 940(CPU) |
FSBプロトコル | HyperTransport |
FSB周波数 | 最高 3.2 GHz |
採用プロセッサ | #採用製品を参照 |
前世代 | Socket AM3 |
次世代 | Socket AM4 |
この記事はCPUソケットシリーズの一部です |
Socket AM3+は、AMDのCPUで使用するCPUソケットであり、Socket AM3の後継のソケットである。2011年 Q3発売の Bulldozerのために設計された。AM3+では、DDR3 SDRAMがサポートされている。
概要
最も大きな変化はDDR2 SDRAMのサポートが削除されたことであり、AM3+対応のマザーボード・CPUの双方がDDR3 SDRAM専用となった。また電力効率向上のためにVID信号(CPU電圧制御信号)クロックが400kHzから3.4MHzへ高速化されており、電流容量も110Aから145Aへ増大した。またAM3よりもピン穴の径が拡大されている[1]。 AM3およびそれ以前のソケットとの区別をつけやすくするため、AM3+では黒いソケットが採用されている。この黒いソケットそのものの名称は「AM3b」である。
仕様

Socket AM3からソケットの接点が1つ増えて942接点となっているが、従来のAM3対応Phenom IIやAthlon IIなどはAM3+対応マザーボードでも動作する。また、CPU側はピンが2本増えて940本となったものの[2]、各マザーボードメーカーは(一部機能が制限されるが)BIOSアップデートによって一部のAM3+対応CPUをAM3対応マザーボードで動作させることを可能とした。一方で、先述の通りDDR2 SDRAMのサポートが削除されたためAM2+以前のDDR2系のシステムではAM3+対応CPUは動作せず、その逆も同様である。簡単にまとめると、
- AM3プロセッサはAM3+マザーボードで動作する。
- AM3+プロセッサはAM3マザーボードで条件付きで動作する(対応状況の確認が必要)。
- AM3+プロセッサはAM2+およびAM2マザーボードで動作しない(物理的に装着不可能)。
- AM2+およびAM2プロセッサはAM3+マザーボードで動作しない(物理的に装着不可能)。

但し特殊な製品として、AM2世代のチップセットとDDR2 SDRAM・DDR3 SDRAM双方のメモリスロットを組み合わせ、CPUソケット部品のみ黒いAM3bソケットを使用したものがある[3]。このような製品はHyperTransportのクロック周波数が1GHzまでであるなど仕様としてはAM2そのものであり、ソケットがAM3bであってもAM3+マザーボードと呼べるものではない。このマザーボードはAM2からAM3+までのあらゆるCPUに対応するが、AM2以外のプロセッサを取り付けてもHyperTransportの遅さがボトルネックになり本来の速度で動作しない。またAM2やAM2+プロセッサでDDR3 SDRAMを使用したり、AM3+プロセッサでDDR2 SDRAMを使用できるようになるわけではなく、使用するCPUが対応するメモリだけが使用できる[4]。
マザーボード | |||||
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Socket AM2 |
Socket AM2+ |
Socket AM3 |
Socket AM3+ | ||
C P U |
Socket AM2 |
Yes | No | ||
Socket AM2+ |
Yes | No | |||
Socket AM3 |
Yes [注 1] |
Yes | |||
Socket AM3+ |
No | Yes [注 1] |
Yes |
採用製品
脚注
注釈
出典
- ^ Bulldozerアーキテクチャ徹底解説 DOS/V POWER REPORT 2011年12月号
- ^ “Bulldozerは気難しい──AMDの新CPUアーキテクチャ“Zambezi”を試す”. 2025年2月1日閲覧。
- ^ “一見普通だが実は変態だったASRockのGeForce 7025搭載マザー「N68C-GS4 FX」”. 2025年2月1日閲覧。
- ^ N68C-GS FX 商品ページ ASRock社サイト(英語)
外部リンク
- Socket_AM3のページへのリンク