Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                

Software_as_a_Serviceとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > Software_as_a_Serviceの意味・解説 

サース【SaaS】


サービス‐としての‐ソフトウエア

《software as a service》⇒サースSaaS


ソフトウエア‐アズ‐ア‐サービス【software as a service】

読み方:そふとうえああずあさーびす

サースSaaS


SaaS

フルスペル:Software as a Service
読み方エスエーエーエスサーズ
別名:サービスとしてのソフトウェア

SaaSとは、ネットワーク通じて顧客アプリケーションソフト機能必要に応じて提供する仕組みのことである。

SaaSを利用すれば顧客ハードウェアアプリケーションソフトインストールされていなくても、ネットワーク通じて随時ソフトウェア利用することができる。パッケージ化されていない状態で、機能単位提供されるため、用途ごとに必要最小限サービス利用することができる。

また、SaaSは顧客ごとに別のサーバー用意するではなく、ひとつのハードウェア複数顧客対応することができる。その上で顧客ごとに個別設定を行うことが可能である。SaaSは通信費用の低下Webサービス機能向上といった利用環境の向上によって実現したサービスであり、従来のASP(Application Service Providerシステムとは区別されている。

SaaSのモデル基づいたシステムとしては、セールスフォース・ドットコム顧客管理CRMシステムSalesforce」などが知られている。また、IBM提供しているオンラインディレクトリ「Software as a Service Showcase」では、SaaSを提供しているベンダー検索することができる。


Software as a Service

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/10 05:24 UTC 版)

Software as a Service(略称はSaaSで、読みは「サース」または「サーズ」[1])は、必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェア(主にアプリケーションソフトウェア)もしくはその提供形態のこと[1]。一般にはインターネット経由で必要な機能を利用する仕組みで、シングルシステム・マルチテナント方式になっているものを指す[2]。以下、特に断りのない限り、上記定義でのSaaSについて記述する。

概要

従来のソフトウェア販売の中心は、ソフトウェアをパッケージ製品としてユーザーにライセンス販売する形態であり、ユーザーは自分の持つコンピュータでそのソフトウェアを稼働させ、利用する形態であった。 一方、SaaSでは、ソフトウェアを提供者(プロバイダ)側のコンピュータで稼働させ、ユーザーはそのソフトウェア機能をインターネットなどのネットワーク経由でサービスとして使用し、サービス料を支払う形態(ビジネスモデル)が主流となっている。

SaaSの利点として、ユーザー側としては、使用した期間・量だけのサービス料で済む、ユーザー側のコンピュータ導入・構築・管理などが不要(または最小限)になる、このため短期間での利用開始や、ユーザー数や処理量の急な増減にも対応しやすい、常に最新のソフトウェア機能を使用できる、などがある。 またプロバイダ側としては、新規ユーザーの獲得が容易、ソフトウェアのみの販売よりも売上の向上・平準化になる、コンピュータ運用はスケールメリットと自社要員が生かせる、各ユーザー固有の導入や保守のサポートが軽減できる、などがある。

デメリットには、プロバイダ側や通信回線、ネットワークの障害時には使用できない、セキュリティ上の懸念、ユーザー固有の仕様変更や運用変更は困難、長期利用の場合に割高となる可能性、などがある。 また、クラウドコンピューティング上のSaaSの場合は、クラウドが示す「向こう側」がどこなのかが不明確なため、国外のIDCで運用されていた場合やデータの損失などが発生した場合、国内法が適用されないというリスクもある。

SaaSは、ネットワーク経由という面ではネットワーク・コンピューティングの一形態であり、従量制課金の場合はユーティリティコンピューティングの一形態であり、またSaaSプロバイダはASPと同義語である。また、比較的広い意味での「クラウドコンピューティング」における、IaaSPaaS等に並ぶ一種ともされる[3]

なお、SaaSに類似した形態としては、各種のホスティングサービスアウトソーシングサービスなどがある。これはプロバイダ側にハードウェアとソフトウェアがあり、ユーザーはネットワーク経由で使用しサービス料を支払う点ではSaaSと同じだが、ホスティングではハードウェアとソフトウェア、アウトソーシングでは契約によってはソフトウェアなどを、ユーザーが購入する必要がある。例にはIBMのApplications on Demand (AOD) [4]などがある。

発音

SaaSの発音は、「サース」とする場合が多い。「サーズ」と濁って発音することはあったが、一般的にも専門的にもSARSとの混同を避けるために「サース」と発音しているとされる。日本経済新聞の用語解説でも「サース」の発音を採用している[5]

歴史

ソフトウェアをネットワーク経由でサービスとして提供する事自体は、ASPとして、従来より行われている。ASPとSaaSを区別することなく使われていることが多い。有料の電子メールサービス、グループウェア、各種の検索サービス、オンラインゲームなどである。史上初のSaaSアプリケーションは1995年にリリースされたViawebとMYOBライトと言われている。

2006年にはクラウドコンピューティングという言葉が普及し、クラウドコンピューティング上で提供されるソフトウェアがSaaSと呼ばれるようになった。

2007年後半に日本でクラウドコンピューティング上で提供されるSaaSの定義が各プロバイダより発信され始め、リーマンショック後コスト削減サービスとして急速な普及が始まった。各ASP事業者(ベンダー)は2009年頃から、アプリケーションレイヤー上の提供名称を、ASPからSaaSへと変え始めた。この頃、Sansan(2007年設立)、プレイド(2011年設立)、freee(2012年設立)、マネーフォワード(2012年設立)、アンドパッド(2012年設立)などの日本SaaSスタートアップ企業が生まれた。

動向

業界の動き

日本国内ではSaaS専業ベンダーや、基幹システム関連でのSaaS提供はそれ以外の業態や形態と比べると少数だが、2009年から2010年にかけてSaaSを標榜するサービスが増えてきており、少しずつ市場が広がり始めている[6]。2022年12月時点でのARR(Annual Recurring Revenue:年間経常収益)は、Sansan、ラクス、サイボウズ、freee、マネーフォワードが上位を占めている[7]

また、キャリア各社もSaaS提供インフラの構築に積極的である。KDDIは、2007年6月にマイクロソフトとの包括提携を行った。また、NTTコミュニケーションズは、SaaSをNGNの展開における重要なサービスと位置づけている。

グローバル市場では、2010年頃からSaaS専業で売上首位セールスフォース・ドットコム(現・セールスフォース)に追随して、オンプレミス中心だったアドビ、マイクロソフト、SAPオラクルなどの大手ソフトウェアベンダーのSaaSシフトが進んだ。2020年7月時点では売上高シェアはマイクロソフト、セールスフォース・ドットコム、SAP、オラクルの順位となっている[8]

インターネット広告の分野では、田中弦が2005年に創業したFringe81が有名。同社は創業僅か12年でマザーズ上場を果たすなど、日本の代表的な企業として知られる。

政府の動き

2008年1月、経済産業省は「SaaS向けSLAガイドライン」を定め、サービス利用者が安心して利用するために、利用者とSaaSベンダー間で認識すべきサービスレベル項目や確認事項等について明示した。また2008年2月、総務省は「ASP・SaaSにおける情報セキュリティ対策ガイドライン」を定め、組織・運用と、物理的・技術的側面からSaaS提供のための指針を示した。例えば、組織内での情報管理責任者を定め、その利用範囲を明確にし、文書化することや、物理的な措置として、利用者の利用状況や例外処理、情報セキュリティ事象のログ保存期間などを明示している。

2008年7月、経済産業省は「中小企業向けSaaS活用基盤整備事業」を開始した。これは、アプリケーションソフトウェアをSaaSとして提供することで、情報技術を活用するための経営基盤が必ずしも充実していない中小企業・小規模企業の競争力を強化すること目的としている。2009年3月31日、財務・会計などのASP/SaaS事業者がJ-SaaSでの提供が開始された。

業界団体

業界団体として、「特定非営利活動法人 ASP・SaaSインダストリ・コンソーシアム」(略称:ASPIC)がある。ASPICは1999年11月に任意団体として設立された後、2002年にNPO法人の認証を取得し、活動している、ASP・SaaSを推進する団体で会員企業が約170社(2008年5月現在)ある。ASPICでは「ASP白書2003」においてASPの定義を「特定及び不特定ユーザが必要とするシステム機能を、ネットワークを通じて提供するサービス、あるいは、そうしたサービスを提供するビジネスモデル」としており、ASPとSaaSを同意語として扱っている。 またSaaSの普及を目指し、ASP・SaaS安全・信頼性情報開示認定機関として、サービスの安全性や提供事業者を審査し利用者が安心してSaaSを利用できる基準を設けている。

批判

SaaSを "Service as a Softwere Substitute[注釈 1]" (SaaSS) として参照する者である、自由ソフトウェア財団リチャード・ストールマンから、SaaSのひとつの注目すべき批判が出ている[9]。彼はSaaSSを使うことは自由ソフトウェアの根本方針の侵害に当たると考える[10]。ストールマンによれば:

SaaSSのせいで、その利用者は彼らの計算を行う実行ファイルをまさしく持つことができない:利用者がそれを見たり触れたりできないところの、誰かのサーバにそれは在る。従ってそれについてそれが本当に何をしているのかを確認することは不可能であり、それを変更することも不可能である。

脚注

注釈

  1. ^ 「ソフトウェアの代わりのサービス」の意味。

出典

  1. ^ a b 用語集|SaaS”. 株式会社IDCフロンティア. 2019年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月3日閲覧。
  2. ^ http://www.meti.go.jp/press/20080121004/20080121004.html 経済産業省「SaaS向けSLAガイドライン」
  3. ^ 知っておきたいIaaS、PaaS、SaaSの違い”. クラウドエース株式会社. 2019年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月3日閲覧。
  4. ^ “日本IBM、新形態のITアウトソーシング「AoD」-第1弾はSAPのERPソフトが対象”. Enterprise Watch. (2007年5月30日). https://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/software/2007/05/30/10395.html 
  5. ^ SaaS(サース)とは”. 株式会社日本経済新聞社. 2019年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月3日閲覧。
  6. ^ “「クラウドコンピューティングEXPO【春】」、きょう開幕”. クラウド Watch. (2011年5月11日). https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/event/444598.html 
  7. ^ SaaSメトリクスダッシュボード(上場SaaS企業データ). “SaaSメトリクスダッシュボード(上場SaaS企業データ)”. SaaSメトリクスダッシュボード(上場SaaS企業データ). 2023年5月6日閲覧。
  8. ^ 日経クロステック(xTECH). “IT大手16社のQ2決算 コロナ禍でクラウド以外は減収”. 日経クロステック(xTECH). 2020年8月17日閲覧。
  9. ^ Stallman, Richard. “Who does that server really serve?”. GNU.org. The Free Software Foundation. 2015年3月24日閲覧。
  10. ^ Stallman, Richard (18 March 2010). “Who Does That Server Really Serve?”. Boston Review. 6 July 2013閲覧。

参考文献

  • 日経BP社出版局編『クラウド大全 The Complete Cloud Computing <サービス詳細から基盤技術まで>』(日経BP社、2009年) ISBN 978-4-8222-8388-9
  • 『SaaSの科学 SaaSビジネスにおけるデータ分析: Kindle版』(ぽこしー著、2023年)

関連項目

外部リンク


「Software as a Service」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Software_as_a_Service」の関連用語

Software_as_a_Serviceのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Software_as_a_Serviceのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
IT用語辞典バイナリIT用語辞典バイナリ
Copyright © 2005-2025 Weblio 辞書 IT用語辞典バイナリさくいん。 この記事は、IT用語辞典バイナリの【SaaS】の記事を利用しております。
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのSoftware as a Service (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS