「ディーゼル(DIESEL)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「マルニ(MARNI)」「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」などを擁するOTBは2月5日、同じく傘下に持つ「ジル サンダー(JIL SANDER)」の新たな最高経営責任者(CEO)およびOTBの最高戦略責任者(CSO)として、フェンディ(FENDI)のセルジュ・ブランシュウィッグ(Serge Brunschwig)前会長兼CEOを任命した。同氏は同日付で着任し、OTBのウバルド・ミネッリ(Ubaldo Minelli)CEOの直属となっている。
OTBは、2021年3月に「ジル サンダー」を傘下に収めた。これに伴う経営体制の見直しのため、18年から同ブランドを率いてきたアクセル・ケラー(Axel Keller)元CEOに代わり、21年9月からはミネッリCEOがジル サンダーのCEOも兼任。23年5月、新たなCEOとして、エルメネジルド ゼニア グループ(ERMENEGILDO ZEGNA GROUP)北米事業の社長兼CEOを務めていたルカ・ロ・クルツィオ(Luca Lo Curzio)を任命したものの、同氏は24年11月に退任した。
ミネッリCEOは、「当社にセルジュを迎えることができ、大変うれしく思う。ジル サンダーのCEOとして、計り知れないポテンシャルを持つ同ブランドの成長軌道を注意深く、かつ戦略的に導き、そのポジションをさらに高めてくれるだろう。また、その豊かな経験と国際的なビジョンにより、OTBにとっていっそう意欲的な戦略の策定に貢献してくれるものと考えている」と語った。
ブランシュウィッグ新CEOの経歴
ブランシュウィッグ新OTB CSO兼ジル サンダーCEOは、フランス出身。パリのエコール・ポリテクニーク(Ecole Polytechnique)、国立高等通信学校(Ecole Nationale Superieure des Telecommunications)、およびパリ政治学院(Institut d’Etudes Politiques de Paris)を卒業後、1984年にIT企業でキャリアをスタート。マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKINSEY & CO.)などを経て、95年に香港のルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のアジアパシフィック地区プレジデントに就任した。以降、セフォラ(SEPHORA)など同じくLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の傘下ブランドで要職を歴任し、06年にはセリーヌ(CELINE)のCEOに。08年にクリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)の最高執行責任者に就任し、15年にはディオール オム(DIOR HOMME)のプレジデントの一人となった。18年2月にフェンディのCEOに就任し、24年5月に退任した。
当時、米「WWD」が入手した社内メモによれば、同氏はLVMH内で別の役職に就くと見られていた。なお、同氏の後任には、LVMHファッショングループのピエール・エマニュエル・アンジェログロウ(Pierre-Emmanuel Angeloglou)=マネジング・ディレクター(当時)が同年6月1日付で就任している。