ビジネス

清宮海斗と拳王が登場 スタイリー、KDDIらが“アップル ビジョン プロ”向け3Dプロレスコンテンツを発表

スタイリー(STYLY)、KDDI、KDDI総合研究所、AbemaTVは、“アップル ビジョン プロ(Apple Vision Pro)”向け3D映像コンテンツ「バーチャルプロレス スペシャルマッチ 『清宮海斗vs拳王』 powered by Pontaパス」を発表。2月6日にメディア向けトークセッションと体験会を実施した。

スタイリーが提供するApple Vision Pro対応プラットフォームとKDDI総合研究所の3Dメッシュ映像圧縮技術を活用し、AbemaTVとプロレスリング・ノアが制作に協力。プロレスリング・ノアのトップレスラー、清宮海斗と拳王の対戦を360度の自由視点で楽しめる映像体験を提供する。“アップル ビジョン プロ”を装着することで、レフェリーの距離で試合を観戦できる迫力ある視点や、通常の会場では実現不可能なアングルからの観戦が可能となる。XR技術を活用したインタラクティブな演出やゲーム要素も加えられ、プロレス初心者でも楽しめる映像体験となっている。

今回のためにグリーンバックの部屋で360度から動きの撮影を行った拳王は、「出来上がったコンテンツを体験して驚いた。撮影の大変さが吹き飛んだ。相手や自分の裏側まで見ることができる。対戦相手の研究にも使えそうだ。子どもにも見てもらって、プロレスってカッコいいと思ってもらいたい」と語った。清宮も「体験してみたら、タイトルマッチの臨場感だった。場外マットで危険な技を受けたので、怪我をしないように、撮って確認を繰り返した。これを機にゲームやVRを好きな人がプロレスに興味をもって、観戦に来てくれるようになったらうれしい」とコメント。「劇団四季の舞台などもこの技術で見てみたい」と期待を示した。

本プロジェクトは、2024年4月にSTYLY、「ワイアード(WIRED)」日本版、KDDI、J.フロントリテイリングが発足した空間コンピューティング時代の事業創出を目的とする共創型オープンイノベーションラボ「STYLY Spatial Computing Lab(SSCL)」の活動の一環だ。

清宮海斗と拳王の試合を間近で観戦

実際に体験してみると、手で触れそうなほど目の前で両者の戦いを見ることができ、技が決まると光が舞うといったエフェクトが使われるなど、アニメやゲームっぽさもあり、10分程度のユニークなエンタメ体験になっている。“アップル ビジョン プロ”を使うと、その場の空間で戦いが行われているように見え、それもまた面白い。最後に出てきたボタンを押すと紙吹雪が舞う仕掛けになっている。エンターテインメントとしてはもちろん、新しい表現の形式としても大きな可能性がありそうだ。

一般向けには、3月2日に横浜武道館で行われる「プロレスリング・ノア25周年記念大会 ABEMA presents MEMORIAL VOYAGE 2025」で体験会を実施する。KDDIが提供するサブスクリプションサービス「Pontaパス」会員向けには、選手のサイン入りTシャツなどが当たる限定抽選会も用意する。

また、「Pontaパス」では、特典付き試合観戦チケットが当たるキャンペーンを実施する。応募期間は2月6〜16日。抽選で10人に試合観戦チケットと選手特典が贈られる。当選者には、海斗または拳王のサイン入りグッズに加え、選手が当選者の名前を呼ぶスペシャルメッセージ動画もプレゼントされる。

KDDIで「Pontaパス」を担当する佐野学パーソナル事業本部 サービス・商品本部サービス戦略部ビジネス開発Gグループリーダーは、「熱烈なファンがいるところがいいと考えた。音楽やアイドルのコンサートなどとの親和性も高いと考えている。新たなワクワク、いろんなサービスや体験の後押しをしていきたい」と語り、KDDI総合研究所の内藤整・執行役員先端技術研究所XR部門長は、「3Dメッシュ映像は高画質だとデータ量が大きく、圧縮する必要がある。ハイクオリティーなまま、スマホでも受けられるようにするための圧縮処理の簡素化を実現し、ライブで配信できるまでにした。これは世界初の技術。これにより、もっと豊かな視聴体験ができるようになる」と今後の可能性について説明した。

プロレスリング・ノアと共にサイバーエージェント傘下にあるAbemaTVの山中勇成CTOは「その場と配信の臨場感の間を埋める体験になりそう。インターネットメデイアとしてさまざまな視聴体験作りに力を発揮したい」と意欲を見せた。スタイリーの渡邊遼平執行役員CMO兼SSCL所長は、「スマホの場面を触ることで好きな視点から視聴できる。俳優の横に立った視点で舞台を見ることも可能だ。新しい技術が広まっていくには、エンドユーザーとのタッチポイントが重要になると考えている」と語り、空間コンピューティング時代到来への期待を顕にした。

関連タグの最新記事

最新号紹介

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。