不二家の洋菓子部門は「ペコちゃん」を使ってロゴを見直し、VIを刷新した。商品のパッケージや店舗をリニューアルし、焼き菓子の売り上げ増などにつながった。木住野彰悟氏がデザインし、国際的なアワード「D&AD Awards 2024」でも評価された。

●新しくつくったスマイルマーク
●新しくつくったスマイルマーク 新しいロゴとして開発した「スマイルマーク」。ケーキを買った人、もらった人、食べた人、年齢・性別・国籍を超えて、不二家洋菓子店と関わるすべての人に、どんどんスマイルが広がっていってほしいという思いを込めたという
新しいロゴとして開発した「スマイルマーク」。ケーキを買った人、もらった人、食べた人、年齢・性別・国籍を超えて、不二家洋菓子店と関わるすべての人に、どんどんスマイルが広がっていってほしいという思いを込めたという
スマイルマークを開発するに当たり、キャラクター「ペコちゃん」の情報を少しずつ省き、「ペロッと舌を出している口元」をマークにした
スマイルマークを開発するに当たり、キャラクター「ペコちゃん」の情報を少しずつ省き、「ペロッと舌を出している口元」をマークにした
VIの刷新で手提げ袋や箱などのイメージも大きく変わった
VIの刷新で手提げ袋や箱などのイメージも大きく変わった

 「お菓子のパッケージは今までデザインがばらばらだった。そこで新しいロゴを採用し、パッケージを統一したり洋菓子の店舗を順次改装したりしている。VI(ビジュアルアイデンティティー)を刷新し、若い顧客層にもっとアピールしていく」。不二家で洋菓子事業を担当する専務取締役の瓜生徹氏はリブランディングの狙いについて、こう語る。

リブランディングを指揮した不二家 専務取締役の瓜生徹氏(撮影/丸毛 透)
リブランディングを指揮した不二家 専務取締役の瓜生徹氏(撮影/丸毛 透)

 2023年9月から推進してきた施策の結果、約1年たって次第に様々な成果が見えてきた。例えば、23年9月~24年8月は前年対比で焼き菓子のバウムクーヘンの売り上げが2倍になるなど、焼き菓子の基幹商品すべてで前年比を上回った。改装した店舗の売り上げも堅調に推移した。

 VIとして今回、「スマイルマーク」や「店名ロゴ」「ファミリーマーク」の3つを掲げた。デザインの担当は6D-K(東京・港)代表でアートディレクター/グラフィックデザイナーの木住野彰悟氏。企画・制作はクオラス(東京・品川)。

デザインを担当した6D-K(東京・港)代表でアートディレクター/グラフィックデザイナーの木住野彰悟氏。1975年東京都出身。企業や商品のVI(ビジュアルアイデンティティー)をメインに、ロゴやパッケージデザイン、空間におけるサインデザインなどを手掛ける。2010~14年に東京造形大学、16~20 年は東京工芸大学で 教壇に立ったほか、CI(コーポレートアイデンティティー)やVI、サインを担当。国内外で受賞多数(撮影/丸毛 透)
デザインを担当した6D-K(東京・港)代表でアートディレクター/グラフィックデザイナーの木住野彰悟氏。1975年東京都出身。企業や商品のVI(ビジュアルアイデンティティー)をメインに、ロゴやパッケージデザイン、空間におけるサインデザインなどを手掛ける。2010~14年に東京造形大学、16~20 年は東京工芸大学で 教壇に立ったほか、CI(コーポレートアイデンティティー)やVI、サインを担当。国内外で受賞多数(撮影/丸毛 透)
企画・制作を担当したクオラス(東京・品川)のクリエイティブディレクター/アートプロデューサー、大内健太郎氏(撮影/丸毛 透)
企画・制作を担当したクオラス(東京・品川)のクリエイティブディレクター/アートプロデューサー、大内健太郎氏(撮影/丸毛 透)

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