今年もアクティブインサレーションがアツい! 気になる新作をフィールドテスト
今シーズンも人気のアクティブインサショーションから、2024年の新作をピックアップして、フィールドで着心地を試してみました。どれも同じ部類のウェアですが、備わる性能には違いがあり、活躍するシーズンやシーン、おすすめの使い方も異なる印象。さっそく詳しいインプレッションを見ていきましょう!
2024/11/25 更新
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目次
記事中画像撮影:筆者(写真のカラーは実際の商品の色味と異なる場合があります)
’24秋冬も注目のアクティブインサレーションが続々登場!
登山のレイヤリングでミッドレイヤーに位置するアクティブインサレーション(動的保温着)は年を追うごとに評価が高まり、商品の点数も増えている、いま最も話題の注目アイテム。2024年の秋冬シーズンも各社から新作がリリースされ、登山市場を賑わせています。
そんなアクティブインサレーションの2024年秋冬のニューモデルから、特徴や素材の異なるアイテムを4点ピックアップ。保温性と透湿性のバランス、着心地などをフィールドで確かめてきました!
今年の気になる新作はコレ!
アクティブインサレーションが市場に出回りはじめた当初、構造は2枚のシェルの内側に中綿を封入する作りが一般的でした。それから素材や技術が進歩した結果、いまではフリースのような起毛素材をシェルの裏側(肌面)に組み合わせるものが登場し、中綿も各社からオリジナルのものが続々と開発されています。
今回テストしたアイテムは、肌面が起毛するものが2着、中綿入りが2着。いずれも同じアクティブインサレーションにカテゴライズされている新商品ですが、どれも特徴が異なる個性派揃いです!
今回テストしたジャケット
<Impression1>
モンベル/EXライト サーマラップ パーカ
モンベルの人気ウェア「U.L.サーマラップ パーカ」をベースに、中綿のボリュームを抑えた一着。ストレッチ性をもつ独自の保温材「ストレッチエクセロフト」を使い、シェルにも伸縮する素材を選ぶことで、ストレスのない自由な動きを可能にしています。
このウェア、ほかと比べると明らかに薄い。「本当にこれで保温性があるの?」と疑念を抱きつつ、いざフィールドで羽織ってみると、ほんのり内側に熱がこもり、しっかり温かい。それから峠をめざして山道を登ったところ、息が上がっても不快な蒸れは感じられず、当初の期待値が低かったことも重なり、性能の高さとバランスの良さに驚かされました。
さらに、ボリュームが抑えられているので、収納サイズがとてもコンパクト。テストしたなかでスタッフサックが付いてくるのはこれだけで、500mlのペットボトルより小さなサイズで持ち運べます。秋冬はミッドレイヤー、春夏は防寒着として、一年中使い倒せる魅力をひしひしと感じました。
<Impression2>
アクシーズクイン/ウール インサレーション ジャケット
商品名にもあるウール繊維は、内側に封入されている中綿に配合。天然の保温性と調湿性でウェアの内側を快適な状態に保ちます。さらに、性能の異なる生地を部位ごとに使い分けることで、防風性と透湿性をバランスよく両立。袖口には手首を寒さから防ぐサムホールが付いています。
こちらのウェアは、なんといっても着心地がいい。理由は肌面の生地にあり、シャカシャカ音がしないんです。全体的にソフトな風合いが印象的で、家の中でも羽織りたくなるほどの柔らかな着心地に好感を覚えました。この肌面の素材は背面と腕の下部、脇下にも使われていて、持ち前の高い通気性で熱を放出。一方、その他の表地はしっかり風を防ぎ、寒さを和らげてくれます。
熱がこもりにくい性能は中綿にも秘密があります。上の写真のドット柄は、実は中綿のシートに開けられた穴。中綿に無数の穴をあけることで熱や湿気が外へ抜けていく通り道を作り、内側を適温に保つ仕組みです。実際、長時間着たまま山を歩いてもオーバーヒートすることがなく、快適に登山を楽しむことができました。
<Impression3>
カリマー/サーマル フーディ
素材にはアクティブインサレーションでおなじみの、8本の突起を持つ中空繊維「オクタ」を使用。見た目よりも軽く、吸汗速乾性にも優れ、防風性の高いウェアを重ねると本来の保温性を発揮します。フードは口元まで覆うバラクラバ仕様です。
ほかの3着と明らかに異なるのは、表面に防風性や撥水性をもつ生地が備わっていない構造です。そのため、空気がスースー抜ける感覚すらあったのですが、それをもって「機能が劣っていそう」と考えるのは早計。防風性や撥水性、さらに保温性はハードシェルやウインドシェルを羽織れば得られるわけで、ウェア本来の軽さと吸汗速乾性、気密性を高めたときに得られる温かさは、3層のレイヤリングシステムに当てはめて着用したときに真価を発揮します。
テストの日は風が強かったので、やはり上にウインドシェルを羽織りたくなりました。でも、シェルで機密性を高めると本来の保温性で体が温まり、逆に風が弱まったり暑さを感じたときにシェルを脱ぐと途端に涼しく快適に。シェルと併用することで幅広い温度域に対応できる点は特筆すべき特徴といえます。行動中、つねに着続けられるミドルレイヤーとしてのポテンシャルは非常に高いと感じました。
<Impression4>
ミレー/ブリーズバリヤー トイ Ⅱ ジャケット
ミレーオリジナルの防風素材「ブリーズバリヤー」を表地に使い、肌面にはこちらも同じくミレーの独自素材であり、適度な保温性と高い通気性をもつ「スルーウォーム」を採用。ブリーズバリヤーには透湿性もあるので、蒸れを抑えながら快適に行動することが可能です。
ブリーズバリヤーの防風性が優れているため、羽織ったときの気密性はテストしたなかで断トツ。結果、保温性もかなり高いと感じました。そのため、運動量の多いアクティビティには不向きと思われますが、撥水性も相まって優秀なプロテクション能力を備えているので、気温が零度を下回るような環境での雪山ハイキングやトレッキングなどで使えば、ハードシェルの代わりにこれをいちばん外側に着たまま行動できそうです。
目立たない特徴ではあるのですが、実はすごくいいと感じたのがハンドポケットのデザインです。しっかり高い位置に配置されているので、バックパックのヒップベルトに干渉せず、物の出し入れをスムーズに行えます。“ヒップベルトに干渉しないハンドポケット”は珍しくないですが、本当に干渉しないポケットにはめったに出合うことがありません。
秋冬シーズンはどのジャケットを着て山に出かけよう?
アクティブインサレーションのいいところは、秋冬の行動着として保温性と透湿性のバランスが優れていること。さらに、表地にシェルを採用しているモデルは撥水性も備えているため、いちばん外側に着ても雨に降られない限りは濡れを気にせず行動できます。
それでは最後に、テストした4着のインプレッションをまとめてみます。
モンベルの「EXライト サーマラップ パーカ」は携行性にも優れ、一年中活躍する期待大。アクシーズクインの「ウール インシュレーション ジャケット」は着心地がよく、見た目もカジュアルなのでシーンを選ばない一着として重宝します。
カリマーの「サーマル フーディ」は唯一、撥水性をもたないのですが、着っぱなしのミドルレイヤーとしては非常に優秀。体質的に暑がりな人にもおすすめです。ミレーの「ブリーズバリヤー トイ Ⅱ ジャケット」は、ミッドレイヤーとアウターレイヤーをひとつにしたような作りが特徴。雪山でもマイルドな気候ならハードシェルよりこちらを羽織った方が快適に行動できるでしょう。
話題のアクティブインサレーションをうまく活用して、寒い時期の登山を快適に楽しみましょう!
今回紹介したアクティブインサレーションジャケット一覧
モンベル EXライト サーマラップ パーカ Men's
サイズ | S、M、L、XL |
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カラー | ブルーグリーン(BGN)、ブラック(BK)、グリーン(GN)、ライトグリーン(LGN) |
重量 | 200g(M) |
モンベル EXライト サーマラップ パーカ Women's
サイズ | XS、S、M、L、XL |
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カラー | ブルーグリーン(BGN)、ネイビー(NV)、イエロー(YL) |
重量 | 173g(M) |
アクシーズクイン メンズ ウール インサレーション ジャケット
サイズ | S、M、L、XL |
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カラー | インディアンインク、ブラック、グレイ |
重量 | 261g(M) |
アクシーズクイン ウィメンズ ウール インサレーション ジャケット
サイズ | S、M、L |
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カラー | アッシュ、ブラック、インディアンインク |
重量 | 215g(S) |
カリマー サーマル フーディ
サイズ | XS〜XL(ユニセックス) |
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カラー | フレッシュグレイ、ミッドナイト、ブラック |
重量 | 270g(L) |
ミレー メンズ ブリーズバリヤー トイ II ジャケット
サイズ | XS〜XL |
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カラー | ドライト、ブラック✕ノイール、インディアン |
重量 | 392g(M) |
ミレー ウィメンズ ブリーズバリヤー トイ II ジャケット
サイズ | XS〜L |
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カラー | ドラゴン、ドライト、フォギーデュー |
重量 | 338g |