2023-01-01から1年間の記事一覧
ねえ、まゆさん、そこは寒いですか?この世界の終わりは、僕には懐かしい世界には鏡のような川や、一万年も時を経た石造りの建物があるといいますそれでも僕には、まっすぐに張り詰めた白い凧糸の方が美しいそれは天国まで続き、雨の日の笑顔を手繰り寄せる…
痙攣するプラグを立て、整列する、よろよろした、ねじ曲げて(とろけそうな)パンクチュアルな。心臓の垣根。超えて生きる努力の半分は、犠牲で、とても痛い痛い。 こすれたナイロンぜんそくのイソギンチャク湿ったまめノコギリザメの解剖あんてなのついたま…
汗が流れて、田畑が散る。畦によろしく、わさびにもよろしく、全世界によろしく。人型の充電器で、今日は衛兵として、明日は線条結線として。マリネに込められた、様子見、豆がつぶれ、雲みたいに平静を保っている。仲間割れが、拡散する、ケットシーの群れ…
おぼえてて、計画的な世界へ。 許されないのはメロディが愛されないこと、それらが懐疑的に分解され、記号となって、溶けていく先はあなたの、空。 何だか工芸品のように、 攻撃的な色合いをした、新しい、 治されない世界、 守りたくなるような、血、みじめ…
なぜつらいときも君は黙っていなきゃいけないのなぜ忘れたい思い出ばかりがたまっていくのなぜ僕らの遊園地には雨が降るのなぜため息ばかりが簡単に人を殺すの なぜ人間は平等だなんて言えるのなぜ僕たちはコルドバに行けないのなぜ誰も守られた自分に気付か…
悲しいことばかり覚えている。あとは、少しばかりの嬉しいこと。苦しかったことや、怒りや、恐怖は、みんな忘れてしまった。 16歳の時、フリースクールのみんなで、お花見だと言って、平日の、誰もいない公園で、ビールを飲んでいたことがある。そのときの芝…
1何もかもがひどく冷たいここは花の中? あなたの心には都市がありますか?あるなら公園を二つ、三つ増やして行けば私たちはきっと、この壁の向こう架空の王国でその滑り台で、砂場で遊ぶことも出来ますね……? 2僕の表向きの本性は自虐と自己嫌悪だとも言…
この頃、鬱屈することが少なくなりました今、これを書いているのがお気に入りのペンで今、僕の手の中で温まっているこのペンがいつか友人の手に渡ればいいと思います小さな、静かな、眠りに触れるあと五ヶ月、あと五ヶ月なら、生きられるかもしれません白い…
時には、電飾の光が柔らかい感触となって、僕の視神経のうらがわの白いふくらみを感覚もなく突き抜け、そして瞬間、目覚めたままの「僕」の大切な悪夢のような暗がりには永遠の雪が降ります 僕は真っ白になります 「真っ白な永遠に満たされる」それが、頭痛…
消えない痛みもあなたのこともクジラのように忘れました 昼間麦の入ったコーヒーを飲んでいると不意に涙が出てきました 自転車に乗って風のない谷から一人の影がやってきました 体が液体のようにぶくぶくになればいいと思いました
なんか 犬小屋を壊されてた わたし犬小屋なんか持っていなかったんだけどなんか 壊されてた それでふと上を見ると彼らは次は月を壊しにかかっていたんだけれどわたし 月を所持した覚えはないので無視してた ら なんか家に帰ると 犬小屋を壊されてた わたし犬…
やあ、おはようおはようまた、行くね 僕はルール違反をしなくちゃならない 仮説を立てた 僕は弱くて 弱い人間だといいと思った 仮説を 腕に胸に胃に心臓に 想像 の あのあたり に 突き立てた 正直ぼくは弱い人間だと いいと思った それが証明されればいいと…
1ねえ 思い出して私たちはかつては王国だった心の中にはまだみんな想像を超えた黄金の空を持っていて 時たま 何にも怖れないし 誰も疑わない泉の中で息を吹き返すそして 自分を王国の末裔だと知って急に悲しくなったりもするんだ 君が空なら 僕は夕焼け君が…
赤、青、緑、、、青、青、青…… 僕は君に届きたいだけ。でも僕は君に永遠に届かない。君はメールを通ってやって来る、その行間から、雨は降り続け、楽しい時も、悲しい時も、僕は酸性雨の中にいる。 海から選ばれ、空から選ばれ、僕は花火の最後の一粒。 僕は…
人里離れた木の家でタイプライターで小説を書いていたい。 静かに、小さく、ひとりで。 私 忘れられたピンボール・マシン白黒写真にだけ残ってる白骨化した遺体みたいに 静か、私はここにいるヘッドホンの中に ヘッドホンは、最強の武器異世界への、頁 退屈…
私はもう、何も要らない。ウォークマンに、遠い、遠い空を入れて、病院の屋上でギターを弾いていたい。空の白い魚を釣るように、電線に永遠を見るように、ただ嘘に塗れたこの世界で、与えられた指と、歌の感触を、小さくなって確かめていたい。私の存在の儚…
揺れる、揺れるよ、カーテンは揺れるよ、揺れる、いつまで揺れる?孤独な僕の、この部屋で 全て幻想なのだとしても今日吹く風の清らかなこと 僕は僕とて不安が多く薬を飲んで、ごまかして 何にもなさが清々しくて終わりが僕の新しい門出なのだと信じますけど…
秋の午後には、詩を読んで、ギターを弾いて、風景も、人の挙動も、忘れたい。 中原中也だけを読み、ニック・ドレイクだけ聴いて、全てを捨てて、死にたいのです。 秋の午後には、音楽と、詩と本だけを、友にして、ただ空っぽに、死にたいのです。 ただ空っぽ…
僕の中にはドアベルがあって、その向こうには小部屋がある。小部屋に僕はいるかもしれないし、いないかもしれない。小部屋からは、どこまでも降りていける階段がある。オレンジ色の光に包まれた鍾乳洞があり、光の降る小さな滝があり、古い本が堆肥になって…
その店には誰もいなかった。天井は無く、空だけが拡がっていて、それは染みひとつ無い、上質な青空だった。空には値札が貼られていたけれど、少しばかり高価だったので、1m四方くらいなら買えなくもないけれど、僕の部屋の天井全体に設置するには、手持ち…
6時30分の雨が降る死者としての百億の昨日とひとつの今日、全ては過ぎ去る。 そんなことはありえない、と人は言う。どうして?、と僕は言う。だってありえないんだから、と人は言う。どうして?、と僕は言う。 雨が降る 雨が降る僕は棺の中にいて、水のにお…
日本語の美しさって、呆れかえるばかりだ。意識の表面に並んでいく、ささくれ立った言葉をあっさり捨ててしまって、心の深くから浮かび上がってくる言葉たちだけを信じること。夜の部屋、泡のようなLEDの光の中で、瞳孔が拡がっていく。拡がった瞳孔の奥に、…
僕の世界には、光が足りない。暗い酸素が血流を濁していく。僕の中には些細な苛立ちと、朽ち果てた生木みたいな腐った生気がある。月も暗ければ誰も見てくれない。生きることは、果たして生きるに値することなのか。面白いことなんて殆ど無かった。生きてい…
僕が中原中也を好きなのは何故か、言葉には出来ないけれど、敢えて言えば、中也の詩には現実感と非現実感の間での揺れがあって、非現実感から現実感を取り戻そうとする希求を感じて、それはもちろん僕が勝手に感じていることだけれど、とても僕の感覚とシン…
何も捨てなくていい。この身体はただの機械。 表面的な能力をいくら上げたって仕方が無い。でもまた同時に、物事には表面しか無いというのも面白いことだ。僕はとても上手に作られた、機械の身体に住んでいる。 僕は画家で言うならバスキア、写真家ならライ…
ぼんやりとしている。途中までしか見ていなかった『東京暮色』を最後まで見た。見るのは二回目だけれど、救いようが無くて、暗い映画なので好きだ。 身体の感覚が遠い。自分の心と身体に、意識がきちんと接続されていない。このまま意識だけが全てから切り離…
ここ一週間くらいかな、大分気分が落ちていたんだけど、今朝は起きた瞬間に、自分が憂鬱さから脱出していることに気付いて、嬉しい以上に不思議さを感じた。昔(中世頃だろうか?)アイアンメイデン(鋼鉄の処女)という拷問器具があったとか、実は無かった…
すばらしい温度と、春を感じる。まるで美術館みたいな、水族館みたいな。 春の匂い。 春にはロボットだって肌を震わせる。
ちょうど何か写真でも撮りたいな、と思っていた時に、一階の押し入れの中から古いデジタルカメラが出てきたので、試しに撮ってみた。十分画素数もあるし、使いやすいみたいだ。 ↑パソコンのディスプレイの向こう側に、今は、ニック・ドレイクの『ピンク・ム…
唯一の精神、光と歴史、夢、二つとない、冬、くらしていくことの勇気、プラスチックの涙……