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マコ、甘えてばかりでごめんね。ハリウッドより。

http://www.YUNIOSHI.com/japaneseinmovies.html#mako2

マコが亡くなった。72歳。合掌。
日本人俳優としてもっとも知られた男だ。僕は偶然昨日DVDで『さゆり』を観直したところで、やっぱりマコが出ていたなあってホッとしてたところだった(マコはさゆり=千代の父親役で、冒頭で登場)。というのは、「日本が舞台または日本人がたくさん出るハリウッド映画」には必ずといっていいほど出ている大御所だったのに、最近話題になった『ラスト・サムライ』や『キルビル』には出てなかったのでちょっと寂しかったのだ。『さゆり』では役柄かもしれないが細く弱々しく、老けたな〜っと思って観ていた。
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彼は生涯をかけてアメリカにおける「東洋人俳優」の地位を高めるために尽力した人で、自身の劇団での公演では、日本人のみならず、中国・韓国人俳優にも手を差しのべた。彼のおかげで世に出た東洋人俳優は数知れない。東洋人俳優はどうしても「召使い」「太平洋戦争の敵軍人」「カラテとか武術する人」「マフィアとかヤクザ」など偏見にあふれた役が多いが、彼はそれらを決して拒むこともせず、逆に芝居で培った演技力で強烈な印象を観客に与えた。傍役かもしれないが手を抜くことはしない。ハッキリ言って何じゃこの映画?といのも少なくないが、それによって圧倒的な存在感をフィルムに刻んだのだ。彼ががんばれば他の東洋人俳優も彼に倣って力を発揮する。こうして実力のある俳優が次々と育っていった。黒人俳優にとってシドニー・ポワチエが果たした役割に相当するといっていいだろう。だが、残念ながら東洋人俳優でハリウッドで彼に匹敵するほどの役者はなかなか現れなかった。

役柄が狭いということもあるだろうが、例えば三船敏郎高倉健といった日本のスターが数本ハリウッド映画に出演するということはあるが、本格的にハリウッドに渡ってマコのようなスターを目指すということもなく、もちろん無名の俳優もそれこそ星の数ほど挑戦しているのだが、実力が伴わない。ハリウッド映画に「出続ける」というのは至極の技なのだ。その中で、どんな役でも確実にこなすマコはやはり特別の存在だった。その結果どれもこれも東洋人役といえば「マコ」。ハリウッドは彼に頼らざるを得なかったのだろう。
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(重く苦しい作品だがまぎれもない傑作。マコの活躍はここから始まった)


渡辺謙がマコ以来のアカデミ−賞にノミネートされたが、マコの遺志を継いで活躍してくれるだろうか?
ともあれマコ、安らかにお休みください。

(マコの父が描いた絵本を、彼が翻訳している)
道草いっぱい