「好きな音楽のジャンルは?」と聞かれたら「サントラです」と答えられるくらいにサントラが好きだし、「好きな映画は?」と聞かれたら「スターウォーズ」と答えるくらいスターウォーズも好きだ。
「スペースオペラ」と言われるだけあって、ジョン・ウィリアムズのサントラは素晴らしい。彼がいなければこれだけ長く愛される作品にならなかったと思う。
しかし、エピソード7と8のサントラには「う〜ん」と言わざるをえない。もちろん、レイやカイロレン、レジスタンス、オク=トーのモチーフは緻密に計算されているし、他の作曲家に同じものは作れないだろう。残念なのは、どちらも「耳に残る」曲がないのである。
これまでのスターウォーズには、それぞれのキャラクターのモチーフを活かしつつ、エピソードごとに神曲と言うべき曲が一つはあった。
個人的には、ファントム・メナスならDuel of the Fates, クローンの攻撃はAcross the Stars, シスの逆襲はBattle of the Heroes, 新たなる希望はエンディングのやつ, 帝国の逆襲はThe Imperial March, ジェダイの帰還もFinaleを選ぶ。どれも映画のイメージを1曲で示している、「映画のための曲」である。Duel of the Fatesをアナキンとオビワンの戦いで流してもBattle of the Heroesほどの感動はないだろう。
7と8はどうだろうか。前述の通り、モチーフとしては耳に残るものがあるが、「曲」として残らない。7はさておき、8に関してはレイとカイロレンの共闘とか、ルークとのご対面とか名シーンが生まれているにも関わらず、そのBGMの印象が薄く、他と差別化されていないように思う。「7といえばこの曲!」というのがないんだよなぁ。
間違いなく、ジョン・ウィリアムズだからこそできることもあると思う。7でも8でもレイアやルーク、ヨーダ、ファルコンのテーマは非常に効果的に使われていて、本人でなければ成し得なかったであろう。特に、8のエンディングのキャリー・フィッシャーのクレジットに合わせてレイアのテーマを流すのには本当に感動してしまった。
しかし、やはり曲としてもう一声欲しい。ジョン・ウィリアムズが年でそんな体力が残っていないのかもしれないし、監督がルーカスでないからコミュニケーションが上手くいっていないのかもしれない。分からないが、ルーカスが一線を退いたからには、サントラも次の世代が作ってもいいのかなぁ、そんなことを思ってしまった。