和歌山県串本町、那智勝浦町を結ぶ八郎山トンネル(全長約710メートル)の施工不良問題で、県が設置した同トンネル技術検討委員会は20日、県自治会館(和歌山市)で第3回委員会を開いた。トンネル内部を支えるアーチ状のH型鋼「支保工」(約700カ所)のほとんどが正確に設置されていないことが調査で判明したとして「掘削以外の工事を全面的にやり直す」との方針を決めた。工期は約2年の見込みという。 同トンネルの工事では天井のコンクリート壁の厚さ不足などが判明。コンクリート壁6カ所はがし、支保工をチェックしたところ、設計位置からずれて設置されていることも分かった。その後の調査で、ほぼ全ての支保工が正確な位置にないことを確認した。 検討委が示した復旧方針は「内部のコンクリートをはがし、すべて新しい支保工を所定の位置に正確に設置し直す」としており、掘削以外のほぼ全ての工事をやり直すことになる。 施工不良の原因に