日本料理に欠かせない鰹節(かつおぶし)。欧州連合(EU)の食品法では輸入禁止品目となっているが、現地生産により規制をクリアした日本人がいる。現在、スペインに自社工場を持ち、欧州20カ国へ出荷している。 味噌(みそ)や醤油(しょうゆ)は中国にルーツを持つが、鰹節(かつおぶし)は日本固有の調味料だ。和食の基本であるだしをとる際に欠かせない食材で、古来より日本人の食生活を支えてきた。 現在の製造法は江戸時代に完成されたもので、出来上がるまで数カ月を要する。生の鰹を4つに切り、煮た後で骨を抜き、「焙乾(ばいかん、煙でいぶしながら乾燥させる)」という薫製工程を数回繰り返して「荒節(あらぶし)」という鰹節になる。さらにカビをつけて熟成させたものは「枯節(かれぶし)」と呼ばれ、上品でまろやかな風味がある。こうした鰹節は鉋(かんな)で削られ、「削り節」として利用される。 「荒節」と呼ばれる鰹節 カビ付けを