国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのモスクワ事務所が2日、モスクワ市当局によって差し押さえられ、閉鎖された。賃料の不払いを理由としているが、人権活動に対する圧力の可能性もある。 アムネスティによると、2日朝10時ごろ職員が事務所に行ったところ、錠が取りかえられていた。ドアには市当局による「物件はロシア自治体の所有物となった」と書かれた封印が張られていた。アムネスティ側は「賃貸契約は順守していた。事前の警告などはいっさいなかった」と、市の主張に反論している。 アムネスティは事務所を約20年使い、ロシアの人権状況の改善に取り組んでいた。差し押さえの2日前には、違法な反政府活動を処罰する2014年施行の新法を適用されて、獄中で拷問を受けていると訴えているイリダル・ダディン受刑者を釈放するよう呼びかけていた。(モスクワ=駒木明義)
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