【ニューヨーク=吉形祐司】2001年に米同時テロが起きたニューヨークの世界貿易センタービル跡地近くに、モスク(イスラム教礼拝所)を備えたコミュニティー施設の建設が計画されている問題を巡り、賛成派と反対派が22日、建設予定地近くで、それぞれ集会を開いた。 両派の集会は、ほぼ同じ時間帯に約100メートル離れた場所で行われ、各数百人が参加。一部参加者の間で口論になったが、衝突はなかった。賛成派の外科医のアリ・アクラムさん(39)は「イスラム教徒も犠牲になった。哀悼の意を示すには近くに祈りの場が必要」と訴えた。一方、テロで後輩の消防士を亡くしたトム・オケーンさん(56)は「ここは犠牲者の聖地。モスクは建ててほしくない」と息巻いた。 施設はニューヨークのイスラム団体が計画。同時テロはイスラム教徒が実行犯だったことから、全米で是非論争が激化している。