経営者による持株比率の高い中小型銘柄への注目度が高まるかもしれない。経営者自身が自社株を多く保有している場合、企業経営と株主利益の利害は一致しやすくなる。この結果、短期的な利益追求よりも長期的な成長戦略にコミットするインセンティブが生じやすくなり、収益性を効率よく向上できる効果があると考えられている。実際、創業者や経営陣の持株比率が高い企業ほど株価パフォーマンスが高まる傾向は、米国でも多く報告されている。 さらに今春は注目すべきイベントが控えている。東京証券取引所が2022年4月に上場維持基準を厳格化し、流動株式時価総額や収益基盤の条件を厳しくしたことは周知のとおりだが、これにより上場基準を満たしていない企業には経過措置が設けられている。2025年3月以降は経過措置の終了を順次迎えるタイミングとなり、場合によっては上場廃止のリスクを抱えることになる。経営陣自らが株主から自社株式を買収するM