DeNAを創業した後、ロンドンでQuipperを立ち上げた渡辺雅之氏の連載最終回。2つの起業を経験しながら、本人は自らを「起業家」と思えないと言う。とはいえ、起業で学んだアントレプレナーにとって大切なこととは、実に単純な教訓であった。 客観的に見てDeNAの起業には成り行きで参加したと言える。Quipperは確かにゼロから始めたが、共通のプロジェクトの実現を夢見て集まった仲間の中で、役割としてマネジメントを担当しているという感覚が強い。だから、世間で言うところの『起業家』と言われると少し違和感があり、気恥ずかしい(あまり褒められたことではないかもしれない)。 僕の中での「起業家」のイメージが、ソフトバンクの孫正義社長、ジョブズ、ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグといった、野心と才能に溢れた「カリスマ」を指すものだからかもしれない。 渡辺 雅之 (わたなべ まさゆき) 京都大学在学中から発