『アニマルスピリット』の訳本を読んでいたら、その「訳者あとがき」で山形浩生氏が「でも、いまの日本の不景気は、マクロ経済学理論がアニマルスピリットを考慮しなかったせいで起きているのではない。日本銀行をはじめ経済官僚たちが、従来のマクロ経済学理論--不景気になったら金融緩和しましょうというもの--を普通に適用しなかった(いまだしていない)せいで起きている。」と書いていた。 過去に言っていたことを坊主懺悔したくないということもあるのだろうけれども、2009年時点でもまだこんなことを言っているのですね。前半は正しいけれども、後半は噴飯ものだ。さすがに「インフレ目標」とかいう表現はないけれども... 供給サイドが十分に伸縮的で、需要構造の変化に適切に適応できる状態にあるのなら、総需要だけを問題にしていて構わないけれども、残念ながら、日本経済の現状はそうではない。様々な理由から、資源の再配分が阻害され