9月12日は、中秋節、すなわち旧盆である。3連休となった中国では、一年で一番美しいとされる中秋の名月を拝みながら、月餅を食べるのが、昔からの慣わしだ。丸くかたどった月餅は、一家団欒の象徴であり、今年も大小、高安、様々な種類の月餅が、店の軒先を飾った。 中国では、日本で言う「お中元・お歳暮」のように、日ごろお世話になっている人々に月餅を贈る習慣があり、役所や企業でも、社員に「月餅セット」を配り、日ごろの労をねぎらった。 だが今年、中秋節に'異変'が起こった。おそらく悠久の中国史上初めて、「月餅を食べたくない」という中国人が現れ、全国各地で「月餅拒否運動」が勃発したのだ。その原因は、「月餅税」なるものが導入されたからである。 国家税務総局の主張によれば、サラリーマンや役人にとって、時価数百元(数千円)の月餅を会社(役所)から配られることは、数百元の所得増を意味する。ならばこの所得に対し、所得税