藤子不二雄マンガの世界には土管のある空き地の風景がしばしば描かれる。 実際に自分がのび太やジャイアンと同じ年齢だったころ、遊んでいた広場や公園にそんな土管はなかったし、これまでも目にしたことすらない。 なのに頭の中には、あの土管のある原っぱの風景が刷り込まれているのだ。幼馴染のさっとんと土管でかくれんぼした(してないけど)あの頃をありありと思い出す。 マンガの世界で見ただけなのに、心のアルバムには刻まれている土管広場。そのギャップに折り合いをつけるべく、リアルな土管広場を実際に見てみたいと思ったのだ。 (text by 榎並 紀行) 記憶の原点はドラえもん 現代の設定がどんなことになっているのかは知らないが、僕が夢中になっていた20年前のドラえもんでは、近所の空き地がのび太ら子どもたちの社交場として度々登場していた。 そこには、滑り台やジャングルジムといった遊具ではなく、ピラミッド型に積ま