二つの世紀の変わり目にいる現在、六十余年間にわたる<昭和>とその文学を俯瞰する作業をしておくことが必要だと、私たち「すばる」編集部は考えた。 作品を通して近代日本を追及し続ける井上ひさし氏。斬新な視点で文学史を再構築する小森陽一氏。両氏を主人(ホスト)役に、毎回、主題にふさわしい時代の知性(ゲスト)を招き、従来にない「読んで面白い」文学史を示したい。 井上ひさし 1934年山形生れ。上智大学卒。「ひょっこりひょうたん島」などNHKをはじめ放送作家を経て「手鎖心中」で直木賞受賞。小説、戯曲を手がけ、劇団「こまつ座」の座付き作家を務める。代表作「吉里吉里人」「不忠臣蔵」「東京セブンローズ」「人間合格」他多数。 小森陽一 1953年東京生れ。小学校時代、父親の仕事の関係でチェコに滞在。ロシア語学校へ通う。北海道大学大学院博士課程修了。成城大学、東京