ジャーナリストを主人公にした映画というのは、ハリウッドのひとつのお家芸だ。『市民ケーン』はある新聞王の生涯を記者が追うものだったし、『ローマの休日』のグレゴリー・ペックも、『スーパーマン』のクラーク・ケントも思い返してみると新聞記者だった。個人的には、『インサイダー』という映画のなかで、タバコ業界の隠された陰謀を内部告発するラッセル・クロウを後押しする熱血テレビプロデューサーを演じたアル・パチーノの勇姿が印象に残っているが、ごくごく最近でも、カトリック神父の醜聞を暴いたボストン・グローブ紙の奮闘を描きアカデミー賞を受賞した『スポットライト』、CBSテレビの良心と長らく謳われてきた硬派報道番組「60ミニッツ」の名アンカー、ダン・ラザーの退任劇の舞台裏を追った『ニュースの真相』、ワシントン・ポスト紙の社長の座を継いだ女性社長の英断を描いた『ペンタゴン・ペーパーズ』など(いずれも主人公に、魅力的