身近な食材でハッとするような美味が作れるのが中国料理だ。例えば、豆腐と葱という味噌汁の具のような食材でも、火と油の力を借りれば、驚くほどごはんに合うおかずができあがる。 そんな料理の筆頭に挙げたいのが、葱焼豆腐(ツォンシャオドウフ|cōng shāo dòu fǔ)だ。 調理は木綿豆腐を軽く煎り焼き、葱を加えて醤油味で煮込むだけ。ただそれだけなのだが、たっぷりと使った白葱が、煮込み汁に甘く香ばしい風味を与え、煎り焼いた豆腐のぷりぷりした食感に箸が止まらない。 肉を使わなくてもコクはしっかり。世の中に「大豆ミート」があるのも納得の食べごたえである。レシピのオイスターソースをヴィーガン仕様すれば、すべて植物性食材なので菜食の方にもおすすめ。冬により一層おいしさを増す白葱を使って作ってみよう。 主材料はこれだけ。葱と木綿豆腐があればそれでいい。できればおいしい豆腐屋さんの豆腐を使いたい。 葱と豆