「改革は、待ったなし。岩盤のように固まった規制を打ち破るには、強力なドリルと強い刃が必要だ。自分はその『ドリルの刃』になる」 昨年10月のAPEC首脳会議で安倍晋三総理は大見得を切った。今年もこのフレーズを繰り返しているが、その後の安倍氏と言えば、日本版NSC(国家安全保障会議)法、特定秘密保護法、武器輸出解禁、そして集団的自衛権行使容認の解釈改憲などにまっしぐら。肝心の規制改革は、単なるパフォーマンスに終始している。 このコラムで何回も取り上げた医薬品のインターネット販売がその典型だ。'13年6月発表のアベノミクス第三の矢、成長戦略。規制改革の中身なしという烙印を押され、総理の発表記者会見中から株価大暴落という大失態となったのだが、そのときの目玉が医薬品ネット販売の「全面解禁」だった。しかし、現実は「全面解禁」とは程遠い状況になっている。 医薬品の中には、医師が処方しないと薬局の店頭で買