最終回が迫る「龍馬伝」。その斬新な演出方法とは? 人気アーティストの福山雅治主演で今年話題のNHK大河ドラマ「龍馬伝」。これまで我々の中にあった司馬遼太郎作の「竜馬がゆく」で描かれた坂本龍馬像を大きく塗り替える、新たなその存在感は、その大胆な描き方も功を奏して、一般的にも大きな話題となった。しかし映像業界ではまた違った視点で、放映当初から話題となっているTVドラマでもある。 注目されているのはその撮影方法で、大河ドラマ史上初となる30Pによる撮影。極端に画作りされたシネガンマを調整したカラーコレクション。スタジオセットとは思えない全体に煤けた煙い演出。これまでの日本のスタジオ撮影では用いられなかった照明技法。映画製作における、いわゆる”汚し”の技法が大胆に用いられたメイクや衣装、道具類など、これまでの大河ドラマの象徴であった、クッキリパッキリの60iコンテンツとはかけ離れた映像になっている