なぜ、私たちは「サラリーマンであること」を選ぶのか。アメリカでは「フリーエージェント」という、組織に属さない生き方が一般化している。日本でも、もっと自由な生き方があっていいはずだ。 作家の橘玲氏は、ずいぶん前から「日本のサラリーマンも、『マイクロ法人』という道を選ぶべきだ」と説いてきた。会社から独立して、自分だけの会社を立ち上げる「マイクロ法人」という生き方の魅力を記した『貧乏はお金持ち』(2011年刊)から、その根本思想を説いた部分を特別公開する。 資本主義社会で生きるということ 資本主義社会で生きていくということは、所有している資本(人的資本や金融資本)を市場に投資して利益を得る(資本を増殖させる)ことだ。 この経済活動を「企業=Enterprise」という。町の八百屋からトヨタやソニーのような大会社まで、企業は市場参加者すべての総称だ。企業の主体が企業家で、通常は中小企業のオーナー社