7月下旬、FSVマインツ05のイングランド合宿中に単独インタビューに応じた岡崎慎司は、なんの気負いもなくあっさりとそういった。 6月24日のコロンビア戦敗戦からは、約1か月の月日が過ぎていた。そのせいなのか、岡崎の表情は清々しく、失意や後悔、または悔しさという負の感情は全く見られなかった。 なぜならこの1か月間、岡崎は「どうしてだ?」と自問自答し続け、今回のワールドカップで抱えた負の感情を整理し、すでに自分の行く道を見いだしていたからだ。 単独インタビューが決まって、質問表を作ったが、それは全く無用だった。「まずはワールドカップのことからたずねたいが……」と切り出すと、岡崎はブラジル後に考え抜いたその思いを、堰が切ったかのように、一気に語り始めた。 「自分たちのサッカーをつきつめるということをやってきて、それをワールドカップでもやろうとなったけど、実際問題、この4年間固定されてきたメンバー