「世界からセカイへ・・・とかの前にゾンビぼいんちゃんと結婚するのが怖すぎる件について」、『閉じこもるインターネット』(イーライ・パリサー 著) 評者:涌井智仁 私の周辺の世界は結構不便だ。つまんない本屋、要領の悪い楽器屋、公園の犬の糞、騒々しい喫茶店。美大生の放埒で無聊な会話は本当に腹が立つ。超不便で超ファックだ。自分の志向性に対して、何の対象もないこの世界に、身勝手とは知りつつ苛立ちを感じざるをえない。 だから、インターネットは好きだ。インターネットは私にとって”私を見つけてくれた世界”であるから好きだ。 近年のインターネットは”私”にとって都合の良いよう意図的に成長していると、パリサーは言う。Googleはユーザーから個人情報という対価を払わせる事で、ユーザー各人に合わせた最良の情報を提供している。例を挙げれば、私のGoogleの検索履歴やGMAILから得たあらゆる情報をリソースとし、