正式には「74式戦車第1次試作車第1案」とも呼ぶ。 開発経緯1964年に始まった74式戦車の試作段階は三段階に区分することがでる。第一段階はサスペンションの性能試験用の車体のみのもの(STT)、第二段階は金に糸目をつけない野心作、第三段階は逆に費用対効果を主眼としたものである。 STB-1はこのうち第二段階、すなわち野心作として開発された試作車であり、そのため後の74式にはないリモコン対空機銃や半自動装填装置、二段変速バックギアなどの装備が搭載されていた。他にも細部で異なる面がいくつかあったようだが、上記以外は概ね74式と大差ない。 因みにSTB-1開発に関わった人物は「量産車とはエンジン音からして違った(軽かった)」「細部の作りが丁寧で、綺麗だった」「砲塔の内部は量産車と違い近未来的だった」と感想を述べたという。 STB-1は1972年の観閲式で国民に一般公開され、避弾経始に優れた車体の