『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』……子どもの頃、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第12回 アート・ユニット Tromarama(トロマラマ) インドネシアのカリスマ的ヘビメタバンド、セリンガイのPV『戦いの狼』は、400枚もの手彫りの木版がコマ撮りされた労作だ。セル画数が少ない初期のアニメのようなぎこちない動きが、何故かヘビメタとびったり合って、不思議な感覚を醸し出す。驚くべきローテクを駆使した、このアニメーションの作り手は、トロマラマ。フィービー、ハーバート、ルディの3人のインドネシア人によるアート・ユニットだ。400枚の木版と格闘した悪夢のような約1カ月半は、彼らのトラ