小学生のころ、全校朝会での校長先生のお話がやたらと長く感じた。 先生が「今日はお話が3つあります。」とおっしゃるのを聞いたら、後はゲームのことでも考えながら「今2つめか」と指折り数えていたような子どもだった。 しかし、子どものころ分からなかった絵本の意味が、大人になって理解できるということもある。もう一度、校長先生のお話を聞いてみたら、その内容が身にしみてわかったりするんじゃないだろうか。 (text by 三土たつお) いまだにおぼえている校訓 当時は理解できなかったが、今では身に沁みて分かる小学校時代の教えというものがあると思う。ぼくの場合は校訓だった。 体育館の演壇の横にかかげられた「自主・自律・自尊」の校訓。自分を律することができて初めて、自分を尊ぶことができるという意味だと思う。寝坊したり遅刻したりするたびに、いまだに校訓に怒られている気分になる。 文京区の駒本小学校にお邪魔した