インド・ヨーロッパ語族のなか、一語派を構成して存在感を示す、ロシア語、チェコ語、ポーランド語など、スラヴ系の諸言語。その〈歴史と分類〉〈言語特徴〉〈文字と音〉を簡明に解説した、初めてのスラヴ語入門。 スラヴ語(以下、スラヴ語族に属する諸言語をこう呼ぶ)は、ヨーロッパ中央部から、ロシアが領土とするユーラシア大陸北部にかけて広く分布する一大語族をなし、その中にはロシア語、セルビア語、ブルガリア語などのキリル文字を使用する言語、そしてポーランド語、チェコ語、スロヴェニア語などのラテン文字を使用する言語が含まれる。これらの言語は、多くの類似点をもち、今日なお、系統関係の近さを物語っている。しかしまた同時に、それぞれのスラヴ語には独自の個性があり、互いに似ているようで、微妙に、あるいはかなり異なる面がさまざまにある。語彙に注目すれば、たとえばロシア語の запоминать{zapominat′}