かつての企業ネットワークにおいては、少々の間メールが送受信できなかったりしても、それほど大騒ぎになることはなかった。しかし、今やネットワークやサーバーは「動いていて当たり前」と思われている時代だ。一瞬たりともそれらが動かないことは許されない。機会損失は言うまでもないことだが、日々の業務がネットワークやサーバーに大きく依存するようになってきているのだ。 そこで、ネットワークやサーバーを2重化するなどして可用性を上げることが重要になってきた。このような対策を「冗長化」という。この特集を読むことで、重要性が増してきた冗長化技術について理解を深められるはずだ。なお「可用性」とは「システムやサービスが利用できる時間の割合」、つまり稼働率のことを指す。 レイヤー別に冗長化技術をまとめる 一般的なネットワークにおける冗長化手法は、「機器の冗長化」と「経路の冗長化」に分けられる。機器の冗長化とは、サービス