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この記事の3つのポイント かつてネットで「金もうけ」をすることは嫌われた 広告とサブスクが全盛になってその弊害が顕著に クリス・アンダーソンの『フリー』に再読価値あり (文中敬称略) 「嫌儲」という言葉がある。もはや死語に近いので「あった」というほうが実態に近いのかもしれない。読みすら確定していないネットスラングだ。「けんもう」「けんちょ」あるいは「いやもう」「いやちょ」という読み方もあった。 要するに「ネットを使って金もうけをするのはよろしくない、嫌だ」という意味である。発祥は2000年代に隆盛を誇った匿名掲示板「2ちゃんねる」らしい。が、2ちゃんねるのみならず、当時のネットかいわいでは盛んに使われた。 2ちゃんねるは、様々な話題別に掲示板(スレッド、2ちゃんねるユーザーは“スレ”と呼んだ)がユーザーによって立ち上げられる掲示板の巨大集合体だった。すると人気が出て多くの人が集まるスレが発
「不適切な会計処理が行われ、その一部に経営トップやマネジメント層の関与が認められた」。2月13日、産業ガス大手エア・ウォーターの松林良祐社長は大阪市内で記者会見し、頭を下げた。会見は予定時刻から15分ほど遅れて始まり、途中で報道陣に追加資料が配られた。会社側の慌ただしい様子が伝わってきた。 同日までに不適切な会計処理が見つかったのは、エア・ウォーター本体を含むグループ計37社に上り、2019~24年度に売上収益(売上高)を合計667億円、営業利益を209億円過大計上していた。不正の規模が25年10月に公表した内容(4社、営業利益ベースで約25億円)から大幅に拡大したことを嫌気し、同社の株価は16日、前営業日に比べ一時20%下落した。 在庫の過大計上、架空売り上げ、工場売却損の計上漏れ――。外部の弁護士らで構成する特別調査委員会がまとめた約300ページの報告書には、不適切な会計処理が列挙され
ワークマンは、店舗の9割以上がフランチャイズチェーン(FC)店になる。このようなFC型のビジネスモデルの小売業では、加盟店の満足度を重視する。FCオーナーを対象にした接待や、店舗表彰などのイベントを定期的に企画するケースも多いが、ワークマンではそれらの行事も全て撤廃した。 撤廃を主導した専務の土屋哲雄氏は、かつては商社マンとして接待をして、人脈を広げてきた経験がある。土屋氏は「交際費を使わないのは仕事をしていないのと同じだと思っていた」と当時を振り返る。 会食、ゴルフは「仕事したふり」 だが、44歳で商社の経営企画室に異動してから価値観は180度転換した。土屋氏が看破したのは、大企業にまん延する「3層構造の無駄」だ。通常、大企業は重要な取引先に対して、担当者、部長、経営層の3層で対応する。 しかし、現場の状況が十分頭に入っていない部長や経営層は、取引先とまともに話す材料を持ち合わせていない
生成AIの普及などに伴い、ハイパースケーラーと呼ばれる大規模クラウド事業者のデータセンター(DC)投資は拡大が続く。米アマゾン・ドット・コムは26年の設備投資額を前年比で5割以上増やし2000億ドル(約31兆円)とする計画。米グーグルの親会社アルファベットは1750億~1850億ドルと前年から倍増する見通しだ。 取引先にはGAFAM、「早くケーブルを押さえたい」 高い計算能力を持つDCでは、光ファイバーの本数が多くて細い光ケーブルが不可欠だ。グーグルやアップル、フェイスブック(メタ)、アマゾンにマイクロソフトを加えた「GAFAM」などのハイパースケーラーのうち、ほとんどの企業とフジクラは取引がある。 「ハイパースケーラーは意思決定のスピードがものすごく速い。週に複数回ミーティングすることもある」。データセンター向けの営業を担当する、光コンポーネント営業部の鵜飼孝太郎グループ長はこう話す。
この記事の3つのポイント 「SaaSの死」は、AI企業に対する売り上げ成長率の見劣り AIエージェントはソフトウエア予算に加え、人件費を狙う AIスタートアップが勃興。日本にもSaaSの死が来る 「SaaSの死」がささやかれている。2026年2月に人工知能(AI)開発の米アンソロピックが「Claude Cowork(クロード・コワーク)」に新機能を搭載し、法務や財務、マーケティングなど専門的業務の自動化に対応すると発表すると、今後影響を受けることが連想されたSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)企業の株価が急落。日本の株式市場にも、その流れは波及した。震源地で、一体何が起こったのか。シリコンバレーでベンチャーキャピタリストを務めるシバタナオキ氏に聞いた。 米アンソロピックの新サービス発表以降、米国を中心にSaaS企業の株が急落しました。アンソロピックの発表は、業界でサプライズだったの
山口県下関市生まれ。京都大学法学部卒。山口県弁護士会所属。法律にこだわらず「経営者の悩みをすべて扱う」。これを社長法務と定義して各地の経営者の悩みに対応。顧問先はサービス業から医療法人に至るまで幅広い。これまで経営者側として対応してきた労働事件は、残業代請求から団体交渉まで、200件を超える 論理的に間違いを指摘されれば、相手には言い逃れの余地がありません。ですが、それをハラスメントと扱われると、指摘する側の経営者もストレスを感じるかもしれません。「ロジックが駄目なら何が許されるの」と困惑された経営者もいます。 ロジハラを主張する反応の背景には、「自尊心の防衛」と言われる心理があります。人間は、自分の非や能力の限界を直視することに強い痛みを感じます。そのため無意識のうちに、「指摘内容」ではなく、「指摘の仕方」や「言い方」に焦点を移し、被害者の立場を取ることで自尊心を守ろうとします。 また、
※この記事は、公開から数時間限定で、登録会員(無料)もお読みいただけます。詳しくはこちら。 「さあ、君の出番だ」。2025年1月、米ラスベガスで開かれた世界最大級の技術見本市「CES」。開幕初日の朝に行われるキーノートに、パナソニックホールディングス(HD)が12年ぶりに登場した。この晴れ舞台で、楠見雄規社長が握手をしながらこう呼びかけてスピーチを任せた人物がいた。 松岡陽子氏。パナソニックHDの執行役員で、人工知能(AI)などを使った先進技術を活用したサービス開発を手掛ける「パナソニックウェル」の本部長を務める。CESではAIが家族一人一人を学習し、健康に向けた行動変容などを促す新サービス「Umi(ウミ)」を発表した。 そこからわずか1年あまり。Umiは日の目を見ることなく幕を下ろした。2月4日に開示されたリリースには、パナソニックウェル本部の発展的解消と松岡氏の退任が記された。和仁古明
「周りは意外なほど冷静だった。自分が聞く限り、緊急会議なども開かれていない」。SaaSの代表格である顧客情報管理の米セールスフォースの本社で働くエンジニアは、アンソロピックショックに市場が揺れた2月第1週の社内をこう振り返る。「AI(人工知能)エージェントは脅威だけど、すぐにSaaSに取って代わるものではないとみんな気付いたんだ」 アナリストや専門家の多くは、「SaaSが急に死ぬことはないが、変化は避けられない」とする立場だ。市場の関心は「SaaSはどう変わるのか」に移っている。 「SaaS Is Dead, Long Live SaS.(SaaSは死んだ。SaS万歳)」。米調査会社ピッチブックが2月9日(米国時間)にまとめたリポートはこう始まる。 中世ヨーロッパで使われた「The king is dead, long live the king.(王は死んだ。王万歳。)」をまねて言い換え
電気設備の保守点検への需要が高まっている。停電や火災につながる異常を防ぐため、法令に基づき設備の状態を定期的に確かめる。地域差や個人差があるが、技能と営業力次第では、個人事業主で年商(売上高)2000万円台が視野に入る。 そうした電気の保守・点検の仕事の実態を明らかにすべく、2025年1月の寒空の下、ビル屋上で受変電設備を点検する個人事業主の安達亨氏(50代)を取材した。 安達氏は、「異常の予兆を五感で拾うスキルが必要だ」と話す。扉を開けた瞬間の臭い、かすかな異音、変色や発光の兆しを見逃さない。 安達氏が電気保安に転じたのは40歳を過ぎてから。うどん店の経営に失敗し、借金を抱えて実家に戻った。そこで父の仕事を見て、「稼働日数の割に収入が大きい」と感じ、この業界に飛び込んだ。 数年の苦境を経て、いまは事業が軌道に乗った。個人事業主としての年間売上高は2000万円台後半に達する。材料の仕入れは
季節外れの暖かな日差しが降り注ぐ2026年1月の米サンフランシスコ。高台の3階建てタウンハウスの玄関を開けると、階段の上から声が聞こえてきた。「ウエルカム、そのまま上がってきて!」 上にいたのはすらりと背は高いけれど顔はまだあどけない金髪の青年。23年に営業AIエージェントのスタートアップ「アーティザン」を設立したジャスパー・カーマイケルジャック最高経営責任者(CEO)だ。起業3年目だがまだ24歳。あどけないのもうなずける。 したたかな実力者 欧米のスタートアップかいわいでアーティザンの名を知らない人はいない。きっかけは24年10月以降、欧米の主要都市で同社が展開した広告キャンペーンだった。 「人間を雇うな。アーティザン(エージェント)を雇え」 新開発のエージェント「Ava(エイヴァ)」の顔とともにこの文句を掲げた巨大な屋外広告がサンフランシスコはもとより米ニューヨークや英ロンドンの市街地
前代未聞の人手不足が日本経済を脅かす中、積水ハウスが長年の慣例にあらがう「賭け」に出た。大工(職人)を大量に直接雇用し、若手の囲い込みを急ぐ。 住宅建設の現場は、景気の波に合わせてコストを調整しやすい外注に依存してきた。協力会社(下請け)の先に「一人親方」の個人事業主が連なり、雇用や社会保険の負担が曖昧なまま現場を回す商習慣も残る。大工を正社員として抱えれば固定費が増えるため、「需要が見通せない中では、直接雇用には踏み切れない」(ある大手ハウスメーカー幹部)のが実情だった。 その慣例を破り、あえてリスクを取る道を選んだのが積水ハウスグループの積水ハウス建設ホールディングス(HD)だ。都内の住宅新築現場では、おそろいの作業着を着た若手が手際よく動く。高校卒業から数年の若手も目立つ。積水ハウス建設の正社員大工で、東東京事業所では約40人が19~33歳で若年層が中心だ。50~60代が主力の現場が
「早期退職・希望退職」というオブラートに包まれた黒字リストラが、あたかも「健全な経営の証し」であるかのように全産業へ波及している。そこにあるのは戦略的な必然性ではなく、業界の潮流への単なる同調のように見える。 2026年2月3日、三菱電機が上限を設定せずに募集した早期希望退職などで、グループ従業員の約3%に相当する約4700人が応募したと発表。このうち単体は2378人で、同社の単体従業員全体の5.6%にあたる。 2月4日には、パナソニックホールディングス(HD)が、構造改革の一環として実施している国内外での人員削減が1万2000人規模に達する見通しだと明らかにした。25年5月に人員削減を行うと公表した時点では、25年3月期まで12年連続の黒字だった。 他にも、NIPPON EXPRESS HD、 三菱ケミカル、明治HD、オリンパス、第一生命HD、ソニーグループ、日清紡HDなど、名だたる大企
再開発などで計画の中止や延期が相次いでいる。建設費の高騰が主因だが、より根深いのは施工体制の制約だ。発注側が予算を積み増しても、現場を担う建設会社や技能者を確保できなければ着工できない。建設業界のデータ分析と発信を担う「クラフトバンク総研」所長の髙木健次氏は、「人手不足の底流には根深い『現場見下し文化』がある」と強調する。その背景と今後の展望を聞いた。(聞き手は佐藤 斗夢=日経ビジネス記者) 昨今の人手不足の背景には何があるのでしょうか。 髙木健次氏(以下、高木氏):人手不足の底流には、根深い「現場見下し文化」があります。1980年代に3K(きつい、汚い、危険)という言葉が広まり、それまでの技術者・技能者を尊敬する空気が弱まり、財テクなどを重視する価値観へと社会が傾いたことが大きな分岐点でした。
※この記事は、公開から数時間限定で、登録会員(無料)もお読みいただけます。詳しくはこちら。 2023年、ソニーグループ(G)で半導体を手掛けるソニーセミコンダクタソリューションズ(ソニーセミコン)のエース級人材が、次々と九州に送り込まれた。向かった先は、ファウンドリー(受託生産会社)世界最大手である台湾積体電路製造(TSMC)が設立した熊本県の生産拠点。ただ、一部のエンジニアらが降り立ったのは別の地域、長崎空港だった。 TSMCの進出で「シリコンアイランド復活」の期待が高まり、九州は熊本県を中心に沸いていた。建設関連の作業者が多く滞在し、ホテルなどの価格は高騰した。バブルのような盛り上がりを横目に、ソニーセミコンの長崎テクノロジーセンター(長崎テック、長崎県諫早市)は緊迫した空気に包まれていた。 主力の米アップル「iPhone」などに供給する新型のCMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージ
全国各地で工事中止や閉店が相次いでいる。背景にあるのは、現場労働者たちの著しい不足と賃金上昇だ。今や年収1000万円を超える技能者も珍しくない。だが、これは序章に過ぎない。2040年には日本で1100万人の人材が不足するという試算がある。現場を軽視する経営は、事業停滞という手痛いしっぺ返しを受ける。(写真=陶山 勉) PART1 名鉄、ニトリ苦境は人ごとではない 異次元の人手不足、工事中止・閉店相次ぐ PART2 人手不足で急速に進む待遇改善 稼げる技能職の実像 年収2000万円超も DATA編 ブルーカラー人材の賃金、コロナ禍から上昇も 海外主要都市より低く上昇余地 PART3 積水ハウス、大和ハウスの囲い込み 直接雇用強化・巨額M&Aで人材奪取 INTERVIEW① トリドールHDの粟田貴也社長と識者に ブルーカラー人材について聞く 粟田貴也氏 トリドールホールディングス社長 現場で感
この記事の3つのポイント アンソロピックショックでSaaS株が急落、「SaaSの死」論が浮上 「SaaSは死なない」と業界は火消し、ただし長期的にはAIで代替進む 代替されやすいのは単一機能ソフト、従量課金モデルも崩壊か AI(人工知能)が様々な産業をのみ込み、企業の存続を危うくするという恐怖心が、市場を揺さぶっている。2月第1週の米国株式市場で、米AI開発企業アンソロピックが新サービスを公開したことでソフトウエア株が軒並み急落。「アンソロピックショック」が生じている。米国時間2月5日になっても、そのほとぼりは冷めていない。 特に株価の落ち込みが激しいのは、インターネット経由で業務用ソフトを提供する「SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)」関連の企業だ。顧客情報管理ソフトを提供する米セールスフォースや業務管理ソフトを手掛ける米サービスナウ、デザインソフトの米アドビ、人事・財務情報管理
この記事の3つのポイント 名鉄の再開発は突然暗礁に。受発注の地位は「逆転」 ニトリは都市部の新規出店見送り。飲食店も閉店相次ぐ 労働集約産業を中心に「人手不足倒産」は過去最多 ※この記事は、公開から数時間限定で登録会員(無料)もお読みいただけます。詳しくはこちら。 その記者会見は異例ではあったが、今の日本を象徴する出来事によるものだった。 2025年12月、名古屋鉄道は再開発の計画時期が「全て未定」になったことを発表した。髙﨑裕樹社長は記者会見で涙声になりながら、その胸中を口にした。 「いよいよ建設着手に進もうとする段階で、このような事態に直面するとは全く想定しておらず、無念の思いでいっぱいだ」 同社が進めていたのは、名古屋駅を拡張しつつ、老朽化した名鉄百貨店などを高層ビルに建て替える巨大プロジェクト。26年度に解体に着手し、40年代前半までに完成するスケジュールを25年5月に発表していた
この記事の3つのポイント 明治維新の時は一時的に、江戸の街が空っぽになった r>gは資本主義の原則だが格差を拡大しない社会は可能 「いつもと違う朝」を覚悟して選挙に行きましょう (文中敬称略) 朝起きる。人によって順序の違いや「朝食は食べないよ」とか、色々違いはあるだろうが、洗面し、顔を洗い、朝食をとり、一日が始まる。夕には夕食。また洗面歯磨き、時に風呂。そして就寝する。 この時、「今日と同じ明日がある」ことを疑う人はまずいない。明日の朝も目覚めることは、当たり前の前提条件だ。 同じ明日がやってくる確率は? が、実際には「今日と同じ明日が確実にある」というのは幻影である。寝ている間に脳か心臓かの血管系疾患が発生して死んでしまうかもしれない。夜中に大地震が起きて、家が潰れて死んでしまうかもしれない。 とはいえ、そんなことを気にしては生きていられない。だから、人間はそのような微小な確率でしか起
※この記事は、公開から数時間限定で、登録会員(無料)もお読みいただけます。詳しくはこちら。 JR昭島駅からもほど近いゴルフ場跡地は、延々と続く白い工事用防音壁に囲まれていた。その広さは東京ドーム約13個分の約59ヘクタール。壁の内側では国内最大級のデータセンター(DC)8棟と物流施設3棟を一体で整備する巨大工事が着々と進む。 一見、順調そうに見える工事だが、その裏で事業者である物流施設大手の日本GLP(東京・中央)は、当初計画からの変更を迫られていた。東京都や昭島市によると、ここに建設されるDCは元々、冷却方式に地下水を使った水冷方式を採用すると見られていたが、その計画を見直した。 背景にあったのが、地元からの強い反発だ。建設が進む昭島市は都内で唯一、水道水源のすべてを深層地下水で賄っており、「水のまち」として知られる。生活を潤してきた豊かな水源がDC開発により枯渇しかねないとの危機感が住
2月8日投開票の衆院選を前に、財政悪化懸念がくすぶっている。懸念が高まっていることなどから超長期国債の金利が上昇(価格は下落)し、1月下旬には40年物国債利回りが初めて4%を上回った。 世界で5600億ドル(約87兆円)を運用する英RBCブルーベイ・アセット・マネジメントは3月に円建ての日本国債ファンドを立ち上げ、3年先に1000億円規模のファンドに育てることを目指している。国債市場のカギを握る外国人投資家は衆院選をどう見ているのか。ブルーベイ・アセット・マネジメントで、債券部門の最高投資責任者(CIO)を務めるマーク・ダウディング氏に聞いた。
新興国と聞いて「さぞかし景気が良いだろう」と期待するも、実際には思ったより内需が振るわない――。そんな国が東南アジア諸国連合(ASEAN)域内で目立ち始めている。世界4位の人口を抱え、巨大市場として嘱望されるインドネシアもその一例だ。自動車販売台数の低迷など、景気の現況は芳しくない。日本からは見えにくいASEAN経済の内実について、大和総研・経済調査部の増川智咲シニアエコノミストに読み解いてもらった。 世界第4位の人口を背景に消費市場として期待を集めているインドネシアですが、進出企業からは「内需が振るわない」という声も聞かれます。 大和総研の増川智咲シニアエコノミスト(以下、増川氏):日本のエコノミストの間ではインドネシアの内需は底堅いという意見も多いですが、私は懐疑的です。マクロ統計を見ても、消費者信頼感指数(現在の評価)の特に雇用指数がそれほど強くない。足元では少し上向いてきていますが
2026年には、米国主導の交渉によって、ロシアとウクライナの戦闘がようやく止まる望みがある。停戦が実現すれば、日本とロシアの関係もウクライナ戦争前の状態に戻り得ると期待する向きは多い。だが、22年2月のロシアによるウクライナ侵略開始から約4年の歳月を経て、ロシアはもはや元のロシアではなくなった。政治、外交、経済の各分野において、ロシアは質的に異なる国家へと変貌した。 戦闘が終結しても、こうした変化は今後も続くだろう。とりわけ大きな転換点となるのは、前線から兵士が帰還する時である。数十万人に上る兵士がウクライナの塹壕(ざんごう)で激しい戦闘に従事した。彼らの祖国への帰還は、ロシア社会と政治に深刻な影響を及ぼす。その多くは、ネガティブな帰結となる可能性が高い。 帰還する兵士の数は約70万人に達すると見られる。ロシア政府の発表によれば、いわゆる「特別軍事作戦」から帰還した兵士は、25年6月時点で
「1日に来るのは10台未満です。昔はもっと来ていましたが」。東京都内にある水素ステーションの店員はそう話す。2025年12月、このステーションでは閑古鳥が鳴いていた。 水素自動車に水素を補給する、ガソリンスタンドのような役割を果たす水素ステーション。この事業には多額の税金が投じられている。都内に水素ステーションを建設する場合、整備費として最大10億円、運営費として最大年間4千万円程度の補助を受けられる。 消化されない補助金 あるエネルギー会社の幹部は「都の補助金は破格だ」と話す。国が水素重点地域として東京都や愛知県など5つの地域を指定し支援を行っていることに加え、都の支援は特段手厚い。整備費に加え、都は22年以降に整備されたステーションには、土地賃借料を最大全額補助している。「都内で事業をやるなら、ほぼ身銭を切らずに事業を始められる」(関係者)。しかし、都がステーション整備の補助金として2
2026年、公益通報者保護法は20年以来、2度目の改正を迎える。今年12月1日からの施行が決まり、企業側の体制整備を強く求める内容も含まれる。講演活動などを通じて感じることは、法律の内容やどう対処すべきなのかといった点を理解していない企業が意外と多いことだ。しかし、法改正の内容は「知らなかった」では済まされず、刑事罰が科されるリスクもある。改正のポイントを理解して、内部通報制度の体制整備を進めてほしい。 法改正4つのポイント 改正のポイントは大きく分けて4つある。①「通報に対応する従事者」の指定義務違反への刑事罰導入②通報者の対象範囲の拡大③正当な理由なく公益通報を阻害する行為の禁止④不利益な扱いへの直罰規定導入――だ。 まず、①について。公益通報者保護法で、アルバイトや契約社員といった非正規雇用を含めて300人超の従業員を抱える企業は内部通報制度の整備が義務づけられている。「従事者」とは
2026年1月20日、夕方。JR大崎駅そばにある「ソニーシティ大崎」は、静まりかえっていた。ここはかつてテレビの量産工場があり、「テレビの総本山」とも呼ばれた場所だ。ソニーグループ(ソニーG)傘下でエレクトロニクス機器などを手掛ける事業会社、ソニーはテレビやホームオーディオなどの事業を分離し、中国テレビ大手のTCLエレクトロニクスホールディングスとの合弁会社に移すと発表した。発表直後に開かれた社員説明会は、沈痛な表情であふれた。 TCLが51%、ソニーが49%を出資する合弁会社に事業を承継し、製品開発・設計から製造、販売、物流、顧客サービスまで一貫した事業をグローバルに運営するという。3月末をメドに法的拘束力のある確定契約の締結を目指して協議し、27年4月の事業開始を想定している。 平面ブラウン管テレビ「WEGA(ベガ)」や薄型テレビ「BRAVIA(ブラビア)」という世界で名を知られるブラ
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