「とんでもなくテストが難しくなっている」──。 2010年春、ある製造業のシステム開発プロジェクトを担当したISIDインターテクノロジーの山本卓也氏(開発二部 プロジェクトディレクター グループマネージャー)は、そう感じざるを得なかった。大量のテストケースを、従来の半分近い期間でさばかなくてはいけない。外部システムとの連携も多く、ライブラリやフレームワークも多用しており、アーキテクチャーは複雑だった。「今までのテストのやり方では立ち行かなくなる」。危機感を募らせた山本氏は、テストの方法を見直す決意を固めた。 まず、テストの体制をバグの発見と修正の2チームに分け、迅速かつ確実にバグをなくすことを目指した。結合テストの自動化も検討。操作ログをスクリプト化するExcelマクロを活用した。テスト担当者が設計フェーズに参加し、テスト計画を共同で作ることも試みた。すべて過去のテストでは実践しなかった対