1953ColdSummer : 『ノルウェイの森』 性欲を持て余した彼岸と此岸の強引な選択。 （2010／日本 PG12 監督：トラン・アン・ユン 原作：村上春樹『ノルウェイの森』） 村上春樹の小説や翻訳はそれなりに読んでいるはずなのに、「村上春樹」と他人の口から聞くと何ともイヤーな感覚に襲われることがある。それには、村上春樹を論じたいのではなく、「ハルキ・ムラカミ・ブランド」を用いてモダン文学の話もできちゃう知的なア・タ・シ・！ を演じたいという何とも卑しい自己主張が見て取れるのと、また知的なア・タ・シ・！ を演じたい割には村上春樹なんて誰でも知っている大衆文学の親玉の名前しか出せねえのか、この野郎！ という軽蔑が一体となって何とも言えない疲労感となるという理由がある。 思うに村上春樹という名前は諸刃の剣で、誰でも知っているが故に誰も切り込んだ事の無い切り口から語らねばお味噌扱いされ
1953ColdSummer : 『鬼灯さん家のアネキ』（五十嵐藍）を読んでいる。何てえの、たまたまなんや。偶然なんや。わたしは知らんかったんや！ ↑ほら、わたし、いっつも読んでいるのはこういう漫画（劇画）やからね、今流行の、何てえの、女子高生のゆる〜い日常とかね、ふわふわ4コマとかね、極めつけには萌えとかね、何てえの、そういうの読んだらさ、魂が腐り落ちそうになるってゆうかさ、脳味噌が痒くなるってゆうかさ、誰彼構わずブチ殺したくなる衝動に駆られるんよね。 だからさ、Myspaceでもさ、Facebookでもさ、mixiでもさ、Twitterでもさ、何てえの、そういう人と人が繋がるサービスって今流行じゃん、流行のね、GREEとかね、モバゲーとかね、まあこのふたつはケータイネットなんてちゃんちゃらおかしくてやってないんやけどね、何てえの、SNS、ですか。そういう経路から入ってくる、何てえの、
日曜日、キリスト野郎の言うところの「安息日」であるというのに、所用あって朝からバタバタと出かけていた。で、所用の方は書くのが面倒くさいんで省くが、結果的に、ローソンのからあげクン半額クーポン券が財布の中で腐らずにすんだということでご納得を。ほら、これで美味いもんでも喰え！（こじきの顔面にタウン情報おかやまを叩きつけながら） で、ふーやれやれ、陽も高くなったなあ、飛び降り自殺のひとつでも降ってこねえかなあ、ははは。と、ペコペコになったお腹をポフポフ叩いていたらヒダル神がとり憑いたとでも言うんですか、無性に肉、それも牛肉が喰いたくなったので、飢餓感には抗え切れず、近所のすき家に向かったわけなんですな。なーんだ、とり憑いたのはヒダル神じゃなくてキン肉マンコ、ああ「コ」は要らないんだっけ、キン肉マンだったんじゃねえか！ てめえ、キャンペーン中にバッファローマンが牛丼喰って、つまり共食いしていたわ
DrasticDramatic : 『スパイアニマル Ｇフォース』 モッフモフモフモフモフ。 （2010／アメリカ 監督：ホイト・Ｈ・イェットマン・Ｊｒ） 人間とどうぶつの、心暖まる触れ合いが好きだ。かわいいどうぶつには本当にメロメロになる。 何せ、『ジョーズ』では全長8メートルにも及ぶホオジロザメが海水浴場で人間の踊り喰いを披露してくれるし、『クジョー』では狂犬病を患ったセント・バーナード犬がトドメには子供を喰い殺すし、『レイザーバック』では超大型人喰いイノシシがジュディ・モリスを喰い殺すし、みんな大好き『殺人魚フライングキラー』ではキャメロン監督による愛くるしい羽根の生えたお魚さんが人間の喉を喰いちぎるし、ええと何だか喰ってばかりで申し訳無いが、『ザ・グリード』では「90分で3000人！」というキャッチコピーに相応しく、でも結局何だかよくわからない軟体生物が哀れな被害者を捕食しまくる
水風呂のすゝめ 毎日めちゃくちゃに暑い。 ここ数年「およげ!たいやきくん」のように昼間は太陽とオフィスビルとアスファルトの三方向から押し寄せる35℃オーバーの熱に挟まれ、夜になっても最低気温が27℃くらいまでしか下がらない。そんな理不尽な東京鍋の中の暮らしが毎年のことにな…
ヨーロッパきってのボンクラ監督ベッソンが脚本を切った『トランスポーター』シリーズ最新作。 このシリーズは、『TAXI』シリーズと並んでハリウッド迎撃フランスボンクラアクションの二大巨頭とは言われるものの、その実、どこにファンが居るのかまったく分からないという「観客の顔が見えない」シリーズとしても自分の中で有名だ。「『トランスポーター』も『TAXI』も大好きだ！」というボンクラが居たらぜひとも名乗り出てくるがいいよ！ 殴り倒してあげるから！ さてジェイソン・ステイサムをメジャーどころに押し上げた『トランスポーター』第三弾である。『デス・レース』で主演を務めたこともあって、何かとカーアクションに縁深いと思われがちなステイサムであるが、冗談じゃない。『ゴースト・オブ・マーズ』や『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』にもちゃんと出演していますっ。これで今度の『タクシードライバー』
はじめての蕎麦打ちの記録 蕎麦打ちには道具が...みたいな固定観念があり、かれこれ5年以上前から「やるぞ」と言いながらなかなか一歩目を踏み出せずにいた。結局は自分で手を動かしてみないと何が必要なのか、どこに金をかけるのか、そもそもこれからも続けたいと思うのかなんてわからんよな、…
はい問題。『アメリカン・ヒストリーX』と『サウンド・オブ・ミュージック』と『シンドラーのリスト』に通底している価値観はなーんだ？ 『シンドラーのリスト』言うた時点でバレバレですけどハハハ。答えは、「ナチス・ドイツはかっこいい」ですね。文句がある奴ぁ二度と来んなシッシッ。ドイツ労働者党は素晴らしい。あの七三分けでチョビヒゲの総統閣下も地獄から我らを応援してくれています。総統！ 歩けます！ で、ドイツ労働者党にあやかったわけではありませんが、わたくしカタギになりました。 もうねえ、自由業自営業虚業服役懲役のたぐいは真っ平御免ですよ。額に汗して日銭を懐に、スーパーの特売タイムを狙うスナイパー・ヴァシリのような人生を、いやヴァシリがンなことをしていたかどうかは『スターリングラード』を観ただけではわからなかったので、これはわたしの勉強不足、働きつつ小説家を目指すにはちょっと覚悟が足らなんだようで
子供のとき、水木しげるの、世界の妖怪とか、世界の悪魔とか、鬼太郎入門とか、そんな本が大好きだった。三つ子の魂百までとは言うが（百歳になったら死ねということか？）、子供のときむさぼるように読んだそれらの本は自分のオカルティズムの原風景だ。ふしぎなものを、ふしぎだなぁすげえなぁと感じるようになったのは、まさに水木しげるの妖怪画が脳に刷り込まれて以降であった。 水木しげるの妖怪画は、世相とその時代に生きるボンクラを可視化したものだ。 わたしのように、フィクションを愛し、ノンフィクションは全部冗談にして笑い飛ばしてしまえ！ というボンクラテイストを掲げる人間たちはおおよそ「B級」というレッテルを貼られている。ああいうひとたちを見ているとばかになりますよ、という印象付けが識者や教師や親によってなされている。だがちょっと待ってもらいたい。暴論だと承知で書くが、ボンクラになると何か困るのか？ 水木
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