おびただしい数の部品がぎっしり実装されるパソコンやスマートフォンの基板は、今まで仕事柄なんども見てきたが、AMDでの勤務が長かった私の主な関心事は常にCPUやメモリーであり、その他はせいぜいネットワーク、周辺機器用の専用コントローラーなどであった。 これらはすべていわゆる高集積のLSIである。しかし、私はAMD勤務後にウェハそのものを提供するビジネスを経験し、CPU・メモリーや専用デバイスなどの他にもたくさんの種類の部品がエレクトロニクスを支えていることを知った。 LSIをシステムの顧客に売り歩く仕事とウェハを半導体会社に売り歩く仕事は、同じ半導体業界といえどもまったく別世界のものであった。パワーデバイス、MOSFET、MEMSなどの顧客もあったし、コンデンサ、オシレータなどの顧客もあった。 最近ひょんなことからあるビジネス誌の記事を読んでいてそれまで幾度も聞いていた「能動部品」と「受動部
