“模造紙” れっきとした紙なのになんとも怪しげなネーミングである。諸々の情報によれば、「明治中期に、大蔵省印刷局が製造した局紙をまねた紙がオーストリアで製造され、大正初期になってそれをさらに日本で模して作ったために模造紙と呼ばれるようになった」という説が有力のようである。本家なのに“模造紙”とは肩身が狭いものだ。「模造した紙」では呼び名とその物とが結びつきにくいためであろうか、この紙にはオーバンシ、タイヨーシ、ガンピ、ビーシ、トリノコヨーシ、ヒロヨーシ、などなど各地でさまざまな呼び方が存在するのである。 オーバンシは山形、ヒロヨーシは長崎、熊本で使われる呼び方だ。いずれも「大判紙」、「広用紙」と大きさに由来するネーミングである。 タイヨーシは新潟県人が東京で通じないことばの代表格として位置づける呼び方だ。やはり語源は大きさに由来する「大用紙」。「大」を濁らずにタイヨーシと発音しているのであ
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