日本人はどこから来たのか。いつごろからこの列島に住み始めたのか。どんな暮らしをしていたのか。本書『ここが変わる! 日本の考古学』(吉川弘文館)は専門の研究者たちが最新の研究成果をもとに、そうした疑問に答えている。遺跡と言えば、大森貝塚や登呂遺跡ぐらいしか頭に思い浮かばない旧世代にとっては、目からウロコの話だらけで大いに参考になる。 約3万7000年前から住み始めた まずどこからきたのか。これは「ホモ・サピエンスの拡散」という項目に書かれている。約20万年前にアフリカで誕生したホモ・サピエンスが約6万年前に西アジアに向かい、4万年前ごろに東アジアへ。そして約3万7000年前に日本列島に到達したとみられている。このころから日本列島に確実な人類活動を示す遺跡が急増するからだ。 本書では、日本列島に人が住み始めたのは、ホモ・サピエンスの拡散活動の一部、というグローバルな人類学的な見方が示されている