印刷 メール 最優秀賞 佐藤俊郎さん「東日本復興計画私案」 佐藤俊郎さん ■「計画」を超える「計画」は可能か 想像を遥(はる)かに超えた惨状を前に「計画」などという言葉にさえ、ためらいを覚える。「計画」を一瞬にして無意味に帰す、見えない、決して合理では判断できない非合理な「神の手」の存在すら信じてしまう。 これまで「計画」という行為は、機能や効率、経済性といった「合理」のもとに行われてきた。今、大震災や津波が、再度起こりうることを理解しても、故郷へ帰るという住民の「情」に似た非合理に対して、どのような論理(計画)が成り立つのか。もし、この震災が日本社会の「潮目」であるとするならば、失われた多くの犠牲に涙して、復興の未来を描かなければならない。それは計画を超えた計画であり、これまで誰も手がけたことが無い、極めて困難な計画である。 ■なぜ「震災」ではなく「戦災」か 東日本の被災地から届く映像は