<この国はどこへ行こうとしているのか> ◇米中双方に寄らず 「日本はどうすればいいか、といつも聞かれるけど、僕はそんなことを考えていない。矛盾するけれど、日本のことを考えないこと、日本から離れて考えることが、日本のことを考えることになる、と思う」 柄谷行人さん(67)は一つ一つの言葉を丁寧に選びながら、静かにそろりと話を始めた。ニュータウンにある柄谷さんの自宅。外はやわらかな日が差し、心地よい風が吹いていた。 世界を覆う金融危機は「100年に1度」の大合唱。今回の金融危機を1929年との類似性からみる解釈が社会を覆う中、柄谷さんはそれは間違いで、危険だと指摘した。 「経済危機という意味で似ているのは当然ですが、世界状況がまるで違います。たとえば、1929年の恐慌以後、米国は覇権国家の地位をますます固めていきました。しかし、今回の恐慌が示したのは、米国が衰退したこと、今後はもっと衰退するだろ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く