鈴置 高史 韓国観察者 元日本経済新聞記者。1995~96年ハーバード大学日米関係プログラム研究員、2006年イースト・ウエスト・センター(ハワイ)ジェファーソン・プログラム・フェロー。02年度ボーン・上田記念国際記者賞。 この著者の記事を見る

戦後70年を迎えた2015年は日韓基本条約締結50周年でもある。歴史認識問題などで機能不全に陥った日韓関係を国際関係の構造的変化の中で捉え直し、新たな局面を切り開く道を考察する。 日韓基本条約以前は「世界地図が書き換えられた」時代 日韓関係にとって2015年は、1965年に日韓基本条約が締結されてから50周年の節目の年にあたる。とはいえ、一言で50年と言ってもその長さを理解することは容易ではない。そこでこの年月の長さを理解するために、1965年から逆に50年をさかのぼって考えてみたい。1965年から50年前、1915年は日本が朝鮮半島への植民地支配を開始してわずか5年後にあたっている。朝鮮半島での最大の独立運動である三一運動の勃発はそれから4年後の1919年のことである。 世界に目を転じれば、欧州は第1次世界大戦の只中にあり、そこでは英国、フランス、ドイツ、オーストリア=ハンガリー、ロシア
━━衰えを知らない日本の反韓・嫌韓。この現象をどう見ていますか。 韓国滞在もすでに30年以上、韓国の反日に慣れきってしまった身からすれば、現在の日本の反韓・嫌韓ブームには非常に驚くほかない。なぜここまで広がってしまったのか。そんな中で出版した本書は、親韓本では決してない。かといって、「反韓本」として見てもらっても困るのだが、あえていえば「中間、これが真相本」だ。 ━━どういう点が特に驚くべき事象なのでしょうか。 かつて日本でも反韓はあった。たとえば1973年の金大中事件の後がそうだった。この時は第1次反韓ブームと言ってもいいかもしれない。韓国の工作員が後に韓国大統領となった金大中氏(故人)を日本で拉致したという傍若無人ぶりが、日本人の怒りに火を付けた。だが、この時の韓国たたきは政治レベルでの反韓だったと言えるだろう。 反韓への“情熱”はどこから? ところが現在の反韓は一般大衆にまで深く根付
「これはまた見事な失敗作だなぁ」。2014年8月5日、最初に朝日新聞朝刊に大きく掲載された「特集:慰安婦問題を考える」を読んだ時の率直な感想である。 実は、この記事が出るまでの過程で意見を聞かれた関係から、筆者は、朝日新聞が近いうちに自らが行ってきた慰安婦報道に対する「検証」を行い、何らかの特集記事を出すであろうことは、知っていた。しかしながら、実際に目にすることになった検証記事は、筆者の予想、いや期待とは大きく異なるものだった。 筆者は何故この検証を「失敗作」だと考えたのか。最初に断っておかなければならないのは、それは筆者がこの検証記事に書かれている内容が間違いだ、と思ったからではない、ということだ。この「特集」に書かれていた内容は、それ自身、慰安婦問題やこれに関する朝日新聞の報道について、恐らくありのままを述べており、事実そのものの過誤は存在しないように見える。にもかかわらず、それが「
昨日の阿佐ヶ谷トークイベント用のメモの一部 昨日のトークイベントでも冒頭で話題になったが、、愛国系の議論では、韓国の経済が明日にでも崩壊する(by古谷ツネヒラさんの紹介より)という発言が多い。しかし、そういう危機予言はさておき、もう少し冷静に韓国経済のデータや実体をみてみたい。こと金融面については、やれるだけの政策をちゃんとやっているという事実があるんじゃないかと私見では思っている。 リーマンショック以降もどう割り引いてみても経済は急回復している。キャピタルフライト的状況を懸念すれば、通貨スワップの拡充に邁進しているし、インフレ懸念にも対処するなど、政策の割り当てとそのスピードも適切に思える。具体的に経済のパフォーマンスはよく、この30年の平均成長率は7%近い(マイナス成長は80、98年)。 韓国の実質経済成長率は70年〜80年は平均9%、80〜90年は9.7%、70年代から2010年まで
世界同時不況の影が北朝鮮経済を苦境に追い込んでいる。核・ミサイルへの制裁包囲網がこれに追い打ちをかけ、餓死者の報告も出始めた。北朝鮮当局は穀倉地帯から強引に食糧を供出させているため、南部の農村地帯に飢餓が発生する異常事態が起きているという。極度に疲弊した経済環境は北朝鮮権力機関を維持する資金を圧迫しており、国際孤立の長期化は金正日政権の体制維持を脅かしている。12月から始まる米朝協議の行方には、こうした北朝鮮の内部事情が反映しそうだ。(久保田るり子)「飢餓の恐怖が拡散している」 北朝鮮の青年たちを記者として育成、内部情報を世界に発信している日本人ジャーナリスト、石丸次郎氏(47)によると、いま北朝鮮内はデフレの大不況に見舞われている。 世界的な資源価格下落で北朝鮮随一の茂山鉱山(鉄鉱石)が昨秋、対中輸出の中断に追い込まれた。5月に再開したが、電力不足で精錬できず、原石を送っている。北朝鮮富
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