今月12日、航海中にコンテナ約100本が倒壊するという大規模な荷崩れを起こした超大型コンテナ船が横浜港に入港した。一部は今にも海に落下しそうな危険な状態で、「日本海運史上、これほどの荷崩れは初めて」(横浜港関係者)。未曽有の事態を前に、港の男たちは周到な準備をして挑み、困難を極めた復旧作業を短時間でやり遂げた。 正月明け早々、横浜港・南本牧ふ頭で荷下ろしを担う三菱倉庫南本牧営業所の石原直人所長(50)は、コンテナ船からメールで送られてきた写真に息をのんだ。船尾側のコンテナはドミノ倒しのように右舷側に傾き、一部は海上に突き出ている。太平洋は荒天で激しい白波が立っていた。 写真や乗組員からの情報を手掛かりに、石原さんはコンテナ船を運航する海運会社をはじめ横浜港関係者と作業手順の検討を重ねた。最初に右舷から突き出て海に落下しそうなコンテナを取り除いてから、倒れたコンテナを引き起こして荷揚げす