【ワシントン=黒瀬悦成】米下院(定数435)は7日の本会議で、オバマ大統領が内政上の最重要懸案と位置づける医療保険制度改革法案を賛成220、反対215の賛成多数で可決した。 これで、米史上初の国民皆保険制度を目指す大統領の改革は、実現に向けて大きく前進した。しかし、上院では皆保険制度に対して慎重な意見が多く、成立の見通しは予断を許さない。 下院で通過した法案は、新たな公的医療保険の導入や、低所得者向け公的保険「メディケイド」の拡充を通じ、国民の保険加入率を現在の83%から96%まで引き上げるのが柱。しかし、野党・共和党が、1人を除き全員反対に回ったほか、民主党258人のうち39人が反対、過半数の218をわずかに上回る薄氷の勝利となった。オバマ大統領は声明を発表し、法案の年内成立を目指す立場を改めて表明した。 しかし、上院で民主党は、共和党の議事妨害を阻止し採決に持ち込むのに必要な60議席を