【戦略的コミュニケーションこそ愛国の要】 ■日本人を複数拉致したことを北朝鮮の金正日総書記が認めたのが、昨年の9月の日朝首 脳会談でのこと。ワールドカップの余波もあり、若い人たち含めて、「北朝鮮、許すまじ」 という具合に、はじめて国家を意識し、義憤に駆られた人たちも多いことでしょう。 ■そうした世論を背景に日本政府は、日本に一時帰国した拉致被害者五人の強制帰国(北 朝鮮に返さないこと)を決断しました。その結果、北朝鮮は日朝交渉を打ち切って日本政 府を相手にすることを一切やめ、米国政府を相手に「核カード」を切るに至りました。 ■要は、米国の対応次第では核ミサイルを配備するぞと脅してきたのです。日本政府は完 全な蚊帳の外。残りの拉致被害者や被害者家族の帰国交渉は、暗礁に乗り上げ、そのまま 今日に至っています。どうも日本政府は、外交が取引であることを分かっていません。 ■このとき僕は、強制帰国さ