オウム真理教による事件で特別手配されていた平田信容疑者(46)が警視庁に出頭し、17年に及ぶ逃亡生活に終止符を打った。 教団を巡る裁判は終結し、死刑執行の時期に焦点が移っていた今、出頭した理由はどこにあるのか。逃亡生活を解明することが、今後の捜査のカギになる。 ◆お母さん子◆ 「区切りをつけたかった」。大みそかの深夜、丸の内署に出頭した平田容疑者は捜査員にそう語った。 肩まで伸ばした茶髪に、ダウンジャケットとジーンズ姿。背負っていたリュックサックには、下着や着替え、シャンプー、くしなどが入っていた。「小ぎれいな身なりで、用意して出頭した雰囲気」(捜査幹部)だったという。 「無職」と説明しながら所持金は約10万円。金の入手先も語っていないが、同庁幹部は「1人で17年間、逃走を続けるのは不可能。支援者がいたはずだ」と指摘する。 松本智津夫死刑囚(56)ら教団幹部が相次いで逮捕された1995年以