脳が腐敗する オックスフォード大学出版局が12月2日に発表した「2024年の流行語」は「brain rot」だ。これは「脳の腐敗」と直訳され、「頭を使わないオンラインコンテンツを過剰に消費した結果、知性が劣化した状態」を意味する。この言葉は'23年と比べて、実に3倍以上も使用頻度が急増。このことからもわかるように、いま英語圏では、「オンライン漬け」の状態に対する強烈な危機感が増している。 なかでも問題視されているのが、スマホがないと不安になる「スマホ依存」だ。依存は、自覚なく進行していくもの。何気なく使っているだけで、いつの間にかスマホなしでは生きていけないような気持ちになる─そんなスマホ依存が世界的に懸念されているのだ。 「実は、スマホ依存のメカニズムは、薬物依存やアルコール依存とかなり似ている」と指摘するのは、東北大学加齢医学研究所教授の川島隆太氏だ。 「スマホの特徴はマルチタスクとい