介護業界の生産性向上は喫緊の課題だ。介護の現場で働くケアマネジャーの最も大きな悩みは「記録する書式が多く、手間がかかる」で70%以上を占めていることが厚生労働省の調査(※1)でわかった。介護では、提供したサービスの結果を自治体に報告しなければならない。報告書は事業者の収入となる介護報酬の計算に使われるが、書類作成には多くの手間がかかり業務時間が圧迫されている場合もあるという。 この状況を受けて厚労省は生産性改善に向けた取り組みを進めている。第1弾として2018年度からは行政への報告を電子化。事務作業を効率化することで利用者へのサービスに回す時間を増やそうという試みだ。また2020年までにITを全面導入したシステムの整備を行い、介護業界全体の労働生産性底上げを目指す。 少子高齢化でますます高齢者が増え介護の需要が伸び続ける一方、介護業界の人手不足は深刻であり、2025年時点で38万人の人材が